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沢 金スパイク出陣“2012年にすべてを懸ける”

[ 2012年6月16日 06:00 ]

イエテボリの空港に到着した沢(左)と大野

 日本代表の大黒柱が“金メダルスパイク”で出陣する。国際親善大会のスウェーデン招待に出場するなでしこジャパンは15日、スウェーデン入りして練習を行った。3カ月ぶりに代表復帰した沢穂希(33=INAC神戸)は金色の刺しゅうで「all in for 2012」と記された新スパイクを持参。悲願の五輪金メダルへ、今大会から本番モードに突入する。

 沢の決意が足元に凝縮されていた。今大会から履く予定のアディダス社の新モデル「プレデター・リーサルゾーン」。その新スパイクの内側部分にあるのは「2012年にすべてを懸ける」という意味の「all in for 2012」の文字だ。昨年の五輪最終予選で着用したスパイクにも「all in」の文字があったが、代表復帰を果たしたことで新たに五輪イヤーを示す「2012」を加えた。

 さらに注目は刺しゅうの色だ。昨年は黒だったが今回は金。同社の担当者が「もちろん五輪で金メダルを獲りたいという思いに尽きます。沢選手本人と相談した結果、金色になりました」と明かしたように、日本サッカー界の悲願でもある「五輪金メダル」を刺しゅうの色に重ね合わせた。

 2月に右ふくらはぎを肉離れし、3月のアルガルベ杯(ポルトガル)では良性発作性頭位めまい症を発症。4度目の五輪出場が懸かる今季は度重なるアクシデントが続き不安のスタートとなった。実戦復帰したのは4月22日のなでしこリーグ・福岡AN戦。「まだ全然。2割か3割ぐらいしか戻っていない」と言いながらも、リーグ戦では確実にピンチの芽を摘みとってチャンスをつくるなど、上昇カーブを描いている。

 今回はアルガルベ杯以来の海外遠征。めまい症の再発防止に万全を期すため、1000円もする耳栓と薬を持参した。これにより不安を解消できたせいか、笑顔を見せながら仲間とともにスウェーデンの地に降り立った。

 「久しぶりの国際試合。凄く楽しみの方が大きい」と言葉を弾ませたなでしこの大黒柱。ほとばしる熱い思いを足元に込めて、金メダルに向けた新たな一歩を踏み出す。

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