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ウクライナ シェフチェンコ2発!歓喜の白星発進

[ 2012年6月13日 06:00 ]

<ウクライナ・スウェーデン>後半17分、この試合2得点目のゴールを決めて喜ぶシェフチェンコ

欧州選手権グループD ウクライナ2―1スウェーデン

(6月11日 キエフ)
 初出場の開催国ウクライナがスウェーデンを2―1で下し、歓喜の白星スタートを切った。後半に先制を許したものの、国民的英雄のFWアンドリー・シェフチェンコ(35=ディナモ・キエフ)が2得点を挙げて逆転勝ち。イングランドは守備的な戦いでフランスと1―1で引き分けた。

 カールスバーグ提供のマン・オブ・ザ・マッチに選ばれたシェフチェンコは「ビールはどこ?」とおどけた。自らの2得点で逆転勝ち。一身に受けたウクライナ国民の期待に応え「これ以上の夢は描けない」と笑った。

 04年バロンドール(当時欧州最優秀選手)に選ばれるなどACミランで一時代を築いた英雄も35歳。膝や背中を痛めて国内リーグ出場16試合に終わった今季は欧州選手権後の現役引退に言及したこともあった。この日も控えと予想されていたが「2得点する夢を見た」というブロヒン監督が先発起用。正夢に変えた。

 失点直後の後半10分に右クロスに頭から飛び込み、7分後の左CKでも相手FWイブラヒモビッチの前方に回り込んでヘディング弾。代表戦は過去2年で1得点と精彩を欠いていたが、地元ファン6万4290人の前でかつての得点感覚と切れがよみがえった。「イブラヒモビッチとの戦いではない」と平静を装ったが、今季セリエA得点王とのACミラン新旧エース対決でも相手の先制点を帳消しにし、さらに“鼻先”で決勝点。健在ぶりを世界に見せつけた。

 06年W杯ドイツ大会で8強に入り、FIFAランク15位まで急浮上したチームも現在は52位に沈む。開催国として盛り上がるはずの今大会も、在任中の職権乱用で有罪となったティモシェンコ前首相の収監が「弾圧」などと問題視され、各国政府首脳が次々に観戦拒否を表明する事態に発展。逆風が吹き荒れた中での初出場初勝利に、救国の英雄は「歴史的な勝利になった」と振り返った。

 フランス、イングランドと対戦を残すが、この日の勝利で8強も視界に入ってきた。「10歳は若返った」と笑うエースにさらなる期待が高まる。

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2012年6月13日のニュース