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香川、門出の一発も「もっと格好良く決めたかった」

[ 2012年6月9日 06:00 ]

<日本・ヨルダン>前半35分、チーム4点目のゴールを決め喜ぶ香川

W杯アジア最終予選 日本6-0ヨルダン

(6月8日 埼玉)
 自らの門出を祝う一撃は意外な形で転がり込んだ。マンチェスターU移籍決定後の初戦で、香川真司が決めた。3点リードの前半35分、敵陣深くでこぼれ球を拾った内田の横パスに反応した。

 右足ダイレクトで合わせたシュートはゴールライン上にいた相手DFの正面を突いたが、まさかのクリアミス。運を味方につけてネットを揺らした。5月23日のアゼルバイジャン戦以来2試合ぶりのゴール。W杯アジア最終予選の初得点となったが「もっと格好良く決めたかった。素直には喜べない…」と頭をかいた。

 納得いくゴールは決められなかったが、イングランドの名門に認められた実力は証明した。前半9分に長友に絶妙のスルーパスを通せば、前半17分には本田への速い縦パスで好機を演出。後半8分のPKの場面では「誰もが蹴りたいPKだけど、圭佑君がハットトリックに近かったので譲りました」と先輩をたてる余裕も見せた。終盤には足がけいれん。「情けない」と振り返ったが最後までピッチに立ち攻撃陣をリードした。

 恩師のためにも結果が欲しかった。ドイツ杯優勝から一夜明けた5月13日に開催されたドルトムントの今季最終ミーティング。香川はクロップ監督から抱きしめられ「今後も応援しているので、自分で決めた道をしっかり歩みなさい」と声を掛けられた。10年7月の加入から約2年間、父親のように接してくれた指揮官への感謝の思いがこみ上げ涙を流した。ドルトムント所属でプレーする残り試合はこの日と12日のオーストラリア戦の2試合のみ。クロップ監督への恩返しの思いを込めドイツで培ったスタイルをピッチで表現した。

 次戦は12日、アウェーでオーストラリアと対戦する。香川にとっては初対戦となるが「相手は欧州でプレーしている選手も多いのでやりやすいと思う。楽しみ」と力を込めた。

 狙うは自身初の国際Aマッチ2戦連続弾。5大会連続のW杯出場を引き寄せるゴールを次は格好良く決める。

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