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なでしこ金へ初戦カナダ戦がカギ 過去対戦成績は五分

[ 2012年4月25日 06:00 ]

ロンドン五輪サッカー男女の組み合わせが決まり、決勝が行われるウェンブリー競技場で握手する男子の関塚隆監督(右)と女子の佐々木則夫監督

ロンドン五輪組み合わせ抽選

 ロンドン五輪サッカー男女の組み合わせ抽選が24日、ロンドンのウェンブリー競技場で行われ、なでしこジャパンは1次リーグF組に入り、カナダ、スウェーデン、南アフリカと対戦することが決まった。

 悲願の金メダル獲得に向けて比較的恵まれた組み合わせとなった。過去3勝3分け3敗のカナダとの初戦がカギを握りそうだ。女子サッカーは7月25日に開幕し、8月9日に決勝が行われる。

 W杯優勝国のなでしこジャパンは開催国の英国、前回覇者の米国とともにシードされ、F組に入った。そして、FIFAランク7位のカナダ、同5位のスウェーデン、同65位の南アフリカと対戦することになった。「いずれも素晴らしいチーム。もちろん目標は金メダル。初戦を大事にしながら、みんなの思いを達成したい」。佐々木則夫監督(53)はあらためて金メダルへの決意を口にしたが、その視界が開ける組み合わせになった。

 要注意は初戦で戦うカナダだ。過去の対戦成績は五分。佐々木監督就任後は08年3月7日に対戦し0―3で完敗している。フィジカルを生かしたスタイルに対し、指揮官は「ボールを動かさないで、どちらかというとシンプルに戦っていく傾向がある。しっかり準備したい」と分析した。

 指揮するハードマン監督は佐々木監督が最も意識する指導者。08年北京五輪と昨年のW杯ドイツ大会ではニュージーランドを率い、ともに初戦で日本と激突した。佐々木監督は「(ハードマン監督とは)2回も(世界大会の)1発目に当たっている。日本のサッカーを熟知していて一番注意しなければ」と警戒感を強めたが、この一戦を乗り切れば波に乗れる。

 2戦目のスウェーデンとは相性が良い。過去の対戦では負け越しているが、04年以降は3勝1分け。6月に親善試合が予定されており「そこで、お互いの手の内も分かると思う」と佐々木監督。3戦目の南アフリカは世界ランクが出場12カ国中最下位だが、対戦経験のない未知のチーム。それだけに「最後の試合なので、分析をしてから臨めるのは好都合」と好意的に捉えた。

 F組1位なら、準々決勝と準決勝はともに各組2位が相手。1次リーグを首位で通過することの意味は大きい。なでしこジャパンの五輪の最高成績は前回の北京五輪の4位。ロンドンでは初のメダル、W杯との2冠を狙う。五輪前年に開催されたW杯の女王が2年連続で世界一となれば、史上初の快挙となる。

 抽選会の会場となったウェンブリー競技場は決勝の舞台。「イングランドの(サッカーの)聖地。このピッチに立つという夢をかなえたい」。佐々木監督は8月9日、ファイナリストとしてウェンブリーに戻ってくることを力強く誓った。

 ▼カナダ・女子代表ハードマン監督 厳しい組になった。日本とスウェーデンは世界トップのチームだが、1次リーグ突破へ彼らに重圧がかかるはずだ。ニュージーランド監督時代に日本と良い試合ができたが、その経験を生かして準備する。

 ▼スウェーデン・女子代表デンナビー監督 世界チャンピオンと対戦するのはスリリングだ。この組では日本が最も有力だろうが、スウェーデンにも勝つチャンスがある。

 ▼南アフリカ・女子代表ムコンザ監督 去年のW杯では日本を応援していた。素早いパス回しをし、シンプルにもプレーできる。尊敬するチームだが、戦う日はその感情は忘れてただ試合に集中したい。

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