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なでしこ劇的V!怒とうのゴールラッシュで米国かわす

[ 2012年4月5日 21:40 ]

キリン・チャレンジカップで優勝を決め、カップを掲げ喜ぶ日本イレブン

女子サッカー「キリンチャレンジカップ2012」 日本4―1ブラジル

(4月5日 ホームズ)
 サッカー女子の国際親善試合、3カ国対抗のキリン・チャレンジカップ最終日は5日、神戸市のホームズスタジアム神戸で行われ、国際サッカー連盟(FIFA)ランキング3位の日本は同4位のブラジルを4―1で下し、通算1勝1分けの勝ち点4で優勝した。米国と勝ち点で並んだが、総得点で上回った。ブラジルは2連敗の勝ち点0で3位。日本は前半オウンゴールで先制。終了間際にFKで失点したが、後半に永里、宮間、菅沢が点を重ねた。
【試合速報】

 女子サッカーの「キリンチャレンジカップ2012」は5日、ホームズスタジアム神戸で行われ、FIFAランキング3位のなでしこジャパンは同4位のブラジル代表と対戦。

 日本は1分けの勝ち点1で、ブラジルは1敗の勝ち点0。全日程を終えた米国は1勝1分けの勝ち点4で、日本は4点以上を奪い、3点差以上をつけて勝てば単独優勝となる。ブラジルとの対戦は2007年9月に2―1で勝って以来で、通算は2勝1分け2敗。

 単独優勝へ大量得点が必要な日本は米国戦のスタメンからFW永里に代えFW安藤、MF阪口に代え宇津木を起用。ブラジルは3日の米国戦で負傷したMFフォルミガが欠場したものの、北京五輪得点王のFWクリスチアネらがスタメンに名を連ねた。

 試合はブラジルのキックオフでスタート。

 静かな立ち上がりから先制したのは日本。前半16分、左サイドから宮間が放ったFKをニアサイドのブラジル・アリーネが頭でクリア。ボールは角度を変え、ゴール前へ。再び頭でクリアしようとしたダイアネのボールがブラジルのゴールネットを揺らしオウンゴールに。日本が幸運な形で先制した。

 日本は前半38分にFW安藤に代えFW永里を投入した。

 先制した日本だが、前半ロスタイムに追いつかれる。19メートルの距離からブラジル・フランシエレに右足でFKを直接決められた。結局、1―1で前半を折り返した。

 日本は後半からボランチのMF田中に代えてFW菅沢を投入。FW川澄が左MF、宮間がボランチに回る攻撃的な布陣で勝負に出た。

 そして後半13分。あきらめない日本は再び、勝ち越す。宮間の右CKをニアサイドに走り込んだ永里が頭で合わせゴール左隅に流し込んだ。

 さらに後半16分。左サイドを崩した日本は速攻から永里がシュート。GKがはじき返したボールを宮間が左足で流し込みゴール。3―1とし2点をリードした。

 優勝へさらに攻める日本は後半27分、大野に代えて上辻、熊谷に代え長船を投入する。

 後半39分にも宇津木に代えて高瀬を投入する。

 その執念が最後の最後に実る。後半44分。右サイドを駆け上がった近賀からのグラウンダーのクロスを菅沢が右足でゴールに流し込みついに4―1。このまま試合を制し、勝ち点、得失点差で並んだ米国を総得点でかわし劇的な単独優勝を決めた。

 昨年のW杯優勝をほうふつさせる強靭な精神力。試合後、体調不良の沢に代わって主将を務め、この日3得点に絡んだ宮間は「みんなの力で勝ちきれたんだと思う。100%ではないけど勝ち切れたことは前向きに捉えています」と振り返った。佐々木監督も「よく頑張った。最後まであきらめないのがなでしこの特長」と選手を称えた。悲願のロンドン五輪金メダルへ、なでしこがまた一回りたくましくなった。

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