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ジョルジ鹿島 黒星スタート…特別な一戦への思いが空回り

[ 2012年3月11日 06:00 ]

<仙台・鹿島>後半、鹿島・小笠原(手前)と仙台・柳沢がマッチアップする

J1第1節 鹿島0―1仙台

(3月10日 ユアスタ)
 鹿島は特別な一戦に懸ける思いが空回りした。3季ぶりの奪冠を目指す新シーズンの開幕戦。震災から1年、会場は被災地・仙台、鹿島から2000人を超えるサポーターが駆けつけるなど発奮材料には事欠かなかった。前半ロスタイムに大迫が小笠原のFKを頭で合わせてゴールに迫るなど見せ場もつくったが、07年以来となる5年ぶりの黒星発進。今季から採用するダイヤモンド形の中盤も十分には機能しなかった。

  ジョルジーニョ監督は初陣を飾れなかった。東日本大震災後は放射能問題などを不安視して多くの外国人が日本を去る中、95~98年に在籍した古巣の再建を託されて今季から監督に就任。10歳の時に事故で父親を亡くしており「震災で被害を受けた方々に言葉を掛けるのは難しい。自分も大切な人を亡くす悲しみを知っているから」と被災者の気持ちを感じながら指揮を執っていた。

 試合後は冷静に敗戦を受け止め、敵将・手倉森監督とがっちり握手。「震災で苦しんでいる人がいる中で90分だけでも楽しい時間を過ごしてもらえたのではないか。思っていたデビュー戦の結果ではないが、シーズンは長い。一つでも多くの勝利を届けたい」と巻き返しを誓った。

 ▽鹿島が07年以来、5シーズンぶりの開幕戦敗戦。ホーム開幕戦は12勝2分け1敗と圧倒しているのに対しアウェーでは2勝3敗と負け越し。

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