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2度追いつくも…なでしこ悔しい準V 五輪で「金」必ず

[ 2012年3月8日 06:00 ]

<日本・ドイツ>決勝ゴールを決められたなでしこジャパン

アルガルベ杯決勝 日本3-4ドイツ

(3月7日 ファロ)
 なでしこジャパンは7日、決勝で世界ランク2位のドイツに3―4で敗れ、準優勝に終わった。MF沢穂希(33=INAC神戸)が体調不良で3試合連続で欠場。2点を追いかける苦しい展開からMF川澄奈穂美(26=INAC神戸)のゴールなどでいったんは追いついたが、終了間際の壮絶なゴールの奪い合いの末に突き放された。昨年のW杯ドイツ大会に続く国際大会連覇を逃したなでしこジャパンは、ロンドン五輪で雪辱を目指す。

 歓喜の同点弾からわずか80秒後、最後に悲劇が待っていた。死闘に終止符が打たれたのは、3―3で突入した延長後半ロスタイム。ロングボールで最終ラインの裏を取られると、GK海堀が中途半端に飛び出してしまい、相手FWオコイノダムバビにゴールを割られた。ロングボールやセットプレーに対応しきれず、08年8月18日の米国戦以来の大量4失点。パワープレー対策に課題を残し、佐々木監督は「手応えもあるが、改善しなければならない部分も多々ある。結果が出ずに申し訳ない」と頭を下げた。

 驚異的な粘りも及ばなかった。2―3で迎えた後半45分、永里が高瀬のクロスのこぼれ球を押し込み土壇場で同点とした。序盤に2失点しながら、前半35分に川澄、後半10分には田中がゴール。後半43分にPKで勝ち越されながら再び追いつく劇的な展開は、PK戦の末に勝利した昨年7月のW杯決勝・米国戦をほうふつさせたが、最後に力尽きた。永里は「ゴールという役割は果たせたが、勝利に結びつかなかった」と厳しい表情。岩清水も「前半に失点しないという目標を達成できなかった。守備の責任」と唇をかんだ。

 優勝は逃したが、収穫もあった。大会開幕前日の2月28日、指揮官は「いい準備段階にしつつ、結果チャンピオンになる。それが理想」と語っていた。優勝を意識しつつも、今大会はあくまでもロンドン五輪を見据えたステップ。A代表初招集の京川や、菅沢ら代表復帰組を選出したのは新戦力発掘のためだった。そして計画通りに大会を通して全21選手を起用。準決勝の米国戦で決勝弾を決めた高瀬がスーパーサブ的な地位を確立するなど五輪へ向けたチームの輪郭は見えてきた。

 佐々木監督は3つのステップを経て、ロンドンに乗り込む強化プランを描く。アルガルベ杯は第1弾で、米国、ブラジルと対戦する4月の親善試合が第2弾。総仕上げとなる6月の欧州遠征で五輪メンバー18人を絞り込む方針だ。沢を体調不良で欠く中、世界の強豪相手につかんだ価値ある準V。指揮官は「いい意味で最後まで粘り強く戦ってくれた。この時期では良い準備ができたが、もう一つステップアップしたい」と前を向いた。五輪開幕まで残り約4カ月半。ポルトガルで得た課題と収穫を糧に、自称「スピルバーグ・ノリオ」が金メダルへの道をプロデュースする。

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2012年3月8日のニュース