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野沢 30歳の決断…「タイトルに近い鹿島」より「挑戦」選んだ

[ 2012年2月25日 12:03 ]

鹿島から移籍した野沢拓也

J1注目の男 神戸MF野沢拓也

 オフは代表経験のある5選手を獲得するなど積極的な補強を進めた神戸だが、その中で最大のキーマンとなりそうなのが、鹿島から移籍した野沢拓也(30)だ。

 リスタートで正確なキックを蹴り分けられる鹿島生え抜きMF獲得は弱点を補う意味合いも込められている。チームは昨季、堅守速攻を武器に効果的にゴールを生んできたものの、セットプレーから生まれた得点はわずか2点だった。和田監督もセットプレーの強化を今季の課題に挙げており、「得点力をアップさせないといけない部分。10点以上の上乗せをしたい」と話す。野沢は鹿児島キャンプでも、ボールの軌道を確認する練習に時間を割いた。開幕までに磨きをかけて新たな武器とする考えで「身長のある選手も入ったので、ゴール前に迫力がある。面白そう」と手応えをつかんでいる。

 司令塔としての期待も大きい。得点を期待されて07年にC大阪から移籍した大久保は、パサー不在のチーム状況から中盤でのプレーを余儀なくされてきた。待望のパス供給役の加入で、ゴールに専念できるという相乗効果もある。

 下部組織時代から慣れ親しんだ鹿島を離れる決断は容易ではなかった。しかし、冷静なプレーとは裏腹に熱いハートを隠し持つ背番号8は「鹿島にいればタイトルに一番近いけど、向上して挑戦者としてレベルアップしたかった」と思いを口にする。昨季クラブ史上最高位の9位を勝ち取ったチームは、ACL出場圏内の4位を目標に掲げている。野沢の右足はそれを現実のものとするために、もっとも必要なカードとなる。

 ◇野沢 拓也(のざわ・たくや)1981年(昭56)8月12日茨城県笠間市生まれの30歳。ジュニアユース時代から鹿島に所属し、トップ昇格後に数々のタイトルを獲得する。リーグ戦254試合に出場し50得点。06年11月に日本代表に選出されたが出場はなし。1メートル76、70キロ。右利き。

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2012年2月25日のニュース