宮市　イングランド初先発＆初ゴール！開始３分で結果出す

ＦＡ杯５回戦 ボルトン２―０ミルウォール

（2月18日）
　ボルトンのＦＷ宮市亮（１９）がイングランド初ゴールを決めた。１８日に敵地で行われたＦＡ杯５回戦の２部ミルウォール戦でイングランド初先発すると、前半３分に先制ゴールを挙げた。後半３３分まで出場し、チームの準々決勝進出に貢献した。日本代表に初招集される可能性が高いＷ杯アジア３次予選ウズベキスタン戦（２９日、豊田ス）に向けて、またひとつ実績を残した。

　勢いに乗る若武者が電光石火の先制点を決めた。アーセナル時代を含めて過去にイングランドで出場した公式戦３試合はいずれも途中出場。サッカーの母国で初めて先発出場した宮市は、左サイドの攻撃的ＭＦに入った。そして、いきなり初得点をマークした。前半３分、ＦＫのロングボールに反応すると、持ち前のスピードで相手ＤＦをぶっちぎった。左サイドでボールを受けてワンタッチでペナルティーエリアへ侵入。右足のシュートで相手ＧＫの右を抜いて右サイドネットに突き刺した。スタンドに向かってガッツポーズで喜びを爆発させると、同僚に囲まれて祝福された。

　「ＧＫのいいセーブに阻まれた。次は必ず決められると思います」とクラブの公式サイトで公言していた通りのイングランド初ゴールだった。プレミアリーグデビューとなった１１日のウィガン戦は後半から出場。同４１分、相手ＤＦラインの裏に抜け出して左足のシュートを放ったが、相手ＧＫに止められていた。

　そのときと同じＧＫと１対１の決定的場面で、冷静にゴールを決められたのは、スピードや技術だけではなく、強い精神力や高い学習能力の表れといえる。その後も前半１８分に左サイドから中に切れ込み右足のミドルシュートを放つなど、その速さを存分に生かして何度も攻撃に絡んだ。

　ザックジャパンのホープだ。日本協会は１６日にＷ杯予選ウズベキスタン戦に向けて宮市を招集する可能性を示すレターを送付し、ボルトン側からも了承を得た。本田（ＣＳＫＡモスクワ）、香川（ドルトムント）、清武（Ｃ大阪）ら攻撃陣には負傷者が続出しており、もともとザッケローニ監督から評価されている宮市が招集される可能性は高まっている。この日の得点でさらに自信をつけた快足ウイングが、次は２５日の強豪チェルシー戦でプレミアリーグ初ゴールを狙う。

　▽ＦＡ杯　１８７１～７２年（明４～５）シーズンからイングランドで行われている世界最古のカップ戦。プロ・アマ共通のトーナメント戦で、日本の天皇杯のモデルにもなった。正式名称は「フットボール・アソシエーション・カップ」で、他の大会にはない伝統と格式を誇る。かつてはＰＫ戦がなく何度でも再試合が行われたが、現在再試合は１試合のみ。最多優勝はマンチェスターＵの１１回、２位はアーセナルの１０回。