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また難題直面!U23ピンチ 凸凹ピッチでパス回せない

[ 2012年2月4日 06:00 ]

シリア戦が行われるキングアブドラハ国際スタジアムは先週の降雪によりピッチは荒れ模様

 5日にロンドン五輪アジア予選第4戦のシリア戦に臨むU―23日本代表はヨルダン・アンマン入りし、3日に初練習を行った。シリアの政情不安から代替地となった同国は、これまで日本代表、五輪代表ともに試合を行ったことはなし。試合会場はピッチがデコボコで、日本協会は改善するように働きかけている状態。ボルシアMGのFW大津の招集失敗、C大阪のMF清武の離脱に続き、関塚ジャパンは再び難題に直面した。

 試合2日前の会場とは思えなかった。ピッチに足を踏み入れると「ぐちゃっ」という音がした。芝はあるもののピッチはデコボコ。2日間の激しい雨の影響で緩い上に、粘土質で滑りやすい。特にゴール前の荒れが目立った。3日夕にはヨルダンリーグの試合も組まれ、2日間で万全にするのは難しい状況だった。

 日本代表、五輪代表にとって未知の国だが、昨年10月には日本女子選抜が中東遠征の際に訪れ、10年10月にはU―16日本代表が今回の会場となるキング・アブドラハ国際スタジアムで練習試合を行った。そのときを知る関係者が「雨が降って全く水がはけず、ビシャビシャだった」と言うように“いわく付き”のピッチだった。事前視察した協会関係者は「芝の質は日本と違う。これまで経験したクウェート、バーレーンとも違う」と警戒していたが、芝だけでなくピッチ自体が予想以上のひどさだった。

 3日は別会場で練習を行ったが、こちらも降雨の影響を受けた。最後のシュート練習ではターンする際に足を滑らせる選手が続出。FW永井は「ケガをしないように確認しながらやった」と全力プレーができなかったことを明かした。

 シリアとの天王山は、最終予選2得点のFW大津を招集できず、エースMF清武も左ふくらはぎの肉離れで離脱した。それに追い打ちをかける劣悪なピッチ。パスを回しながら崩して勝ち点9を積み重ねてきた関塚ジャパンだが、生命線のパスが回せなくなれば、勝ち点3差で迫る相手に足をすくわれかねない。

 「試合までにピッチにローラーをかけてもらって、水をどうにかしないと」と協会関係者。改善がなされない場合、関塚ジャパンは大幅な戦術変更を強いられることになる。

 【関塚ジャパンの過酷環境】

 ▽ウズベキスタン(11年3月)地面が見えるほど劣悪なピッチで練習試合。食事も選手の口に合わず、遠征後に体調を崩した選手もいた。

 ▽クウェート(11年6月、アジア2次予選)日中の気温50度、砂交じりの熱風を経験。練習場の芝は刈られておらず、足元に細心の注意を払いながらの練習だった。

 ▽バーレーン(11年11月、アジア最終予選)入国審査で約1時間以上の足止めを食らった。試合ではスライディングで芝がめくれる場面が多発。

 ▽ドーハ(12年1~2月)合宿の最後の2日間は砂嵐が発生。2月1日の練習はほとんどの選手が室内のみ。最終日は目や喉に苦痛を感じた選手も。

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