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ペトロ監督「1-0」でも攻める!!単独インタビュー

[ 2012年2月2日 06:00 ]

練習で指示を出す浦和のペトロヴィッチ監督(右)

 浦和のミハイロ・ペトロヴィッチ新監督(54)がスポニチ本紙の単独インタビューに応じ、昨季15位に終わった名門クラブの再建に向けたビジョンを語った。浦和の歴代監督で在任期間が最も長かったのはギド・ブッフバルト氏(04~06年)の3年。近年はシーズン途中に解任されるなど、長いスパンでチームづくりに携わった指揮官はいないが、長期政権で黄金時代を築き上げることを誓った。

 新生レッズの象徴的存在として注目を集めるペトロヴィッチ監督。6年にわたって広島を率いた手腕への期待は大きい。

 「浦和はここ数年、結果が出せていない。これまでの監督がベストを尽くしてきたことに敬意を表しているが、私のサッカー哲学は違う」

 昨季途中で解任されたゼリコ・ペトロヴィッチ氏ら近年の浦和の監督は短命ぶりが目立つ。それが低迷の一因でもあるが、新指揮官は長期安定政権実現に自信を見せた。

 「広島とは06年に半年契約でスタートしたが、その後長く広島に残った。浦和とは1年契約だが、ここで長く仕事をすることになるだろう」

 むろん名門再建が簡単ではないことは承知している。重圧も感じている。

 「歴代監督はもう日本で仕事をしていない。結果を残せなければ私も職を失うだろう。喉元にナイフを突きつけられた状態で仕事をすることになるが、成功すれば私の世界も広がっていく」

 推し進めるのは考えて走るパスサッカー。3バックを採用し攻撃的なサッカーを目指している。

 「3バックの戦術により多くの時間を費やすつもりだ。1―0で勝っている状況でリードを守り抜くのは私のスタイルではない。常に質の高い縦パスを狙い、ボールを持っていない選手が、いかにタイミング良く動きだせるかが重要。理解するのは簡単ではないが、選手を信じている」

 槙野、阿部、ポポら即戦力の獲得に成功。一方でストライカーの補強は思惑通り進まなかった。

 「槙野はストッパーやサイドをこなせるし、阿部はボランチやリベロで力を発揮するだろう。ベストな組み合わせを考えるだけ。ゴールに関してFWの問題だと考える人も多いが、私のサッカーは特定の選手が得点するスタイルではないので、問題ではない」

 一体感を重んじ、ファミリーとして目標に向かっていくスタイルで改革を推し進めていく。

 「悪く思われるのを嫌がって必要なことを言わないのは良くない。悪いことは指摘しなければいけないし、選手に対して正直であり続ける」

 ◆ミハイロ・ペトロヴィッチ 1957年10月18日、旧ユーゴスラビア(現セルビア)出身の54歳。オーストリア国籍。FKラド・ベオグラードやディナモ・ザブレブ、SKシュトルム・グラーツなどでMFやDFとしてプレー。80年ユーゴスラビア代表に選出。93年SVペラウで監督としてのキャリアをスタート。96年から2年間はSKシュトルム・グラーツで、後に日本代表を指揮したオシム監督の下でコーチを務めた。06年6月に広島の監督に就任。07年に天皇杯準優勝、10年にはナビスコ杯で準優勝。J1通算62勝38分け58敗。

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2012年2月2日のニュース