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阪口恩返し弾 新潟が日テレ下し初の決勝へ

[ 2011年12月28日 06:00 ]

<新潟・日テレベレーザ>後半6分、新潟・阪口(20)が先制ゴールを決め、川村(5)上辻(25)の横でガッツポーズ

全日本女子選手権準決勝 新潟2-1日テレ

(12月27日 国立競技場)
 最高の笑顔で、スタンドのサポーターに手を振った。リーグ戦5位だった新潟が準々決勝の3位・浦和に続き、2位の強豪・日テレも撃破し、初の決勝進出。値千金の先制ゴールを決めたMF阪口夢穂(24)も興奮を抑えきれない。「(準決勝で)去年も負けて悔しい思いをしたので、すがすがしい気分です。苦しい時間帯もあったけど、自分が得点することができて、よかった」

 後半6分だった。ゴール前のこぼれ球を、阪口が右足ダイレクトで合わせた。無心で打ったシュートは、ゴール左隅へ。「思い切り蹴りました。蹴った瞬間、入ると思いました」と振り返る。田崎に所属していた5年前の準決勝ではPK戦でGKを任され、3連続セーブの離れ業で勝利に導いた。そんな意外性こそが大物食いの切り札となっている。

 なでしこジャパンでは世界一に輝く華やかなサッカー人生を送るが、ふだんは絶縁材などを扱うナミックス(本社新潟市)に勤務するアマチュア選手だ。練習は夜間で、午前8時半から午後4時半までは製造ラインに入り、ひたすら容器詰めに従事。そんな地味な一面も持ちながら、ここ一番では抜群の集中力を発揮している。

 決勝の相手は沢率いるINAC神戸。阪口は新潟では攻撃的MFとしてプレーしているため、沢とマッチアップする可能性が高く「このチームで元日に試合をするのは初めてなので、ワクワクしているし、プレーで引っ張っていきたい」と言葉に力をこめた。米国のインディアナでプレーしていた09年に、左膝の前十字じん帯を断裂。わずか2試合の出場で米国を追われることになったが、完治しない状態で獲得してくれたのが新潟だった。恩返しはクラブ初のタイトル、それしかない。

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2011年12月28日のニュース