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下部組織出身のセスク&シャビ 4発バルサ劇場を演出

[ 2011年12月19日 06:00 ]

2年ぶり世界一!!トロフィーを掲げ、喜ぶバルセロナの選手たち

クラブW杯決勝 バルセロナ4―0サントス

(12月18日 横浜国際)
 バルセロナはメッシだけじゃない。この日の先発のうち実に9選手が下部組織出身。中でも、その象徴的な存在であるシャビ、セスク・ファブレガスの2人が輝きを放った。

 まずはシャビだ。前半17分、ペナルティーエリア手前に上がったハイボールを右足のアクロバチックなトラップで止めると、絶妙なスルーパスでメッシの先制弾をお膳立て。前半24分にはダニエウ・アウベスの右クロスを右足で叩き込んだ。前半45分にはセスクが続く。ゴール前のこぼれ球を右足で押し込みサントスの息の根を止めた。

 バルセロナはシャビやイニエスタら互いの特徴を知り尽くす下部組織出身選手を軸に連動性が高い攻撃サッカーを展開。素早く正確なパス回しと豊富な運動量で、時に70%を上回る圧倒的なボール支配率を実現し、相手の守備を切り崩す。素早い攻守の切り替えに加えて選手間のポジションチェンジも自在。この日もシャビや、MF登録ながら1トップに入ったセスクを中心に変幻自在のプレーで相手DF陣を翻弄(ほんろう)。セスクが「ボールをキープし続けることが重要だと思って、それを僕らは最後までやり遂げた」と言えば、シャビも「サントスに何もさせずにスペクタクルな試合を世界中に披露した」と誇らしげに振り返った。

 セスクはバルセロナの下部組織出身ながら16歳でアーセナル入り。決断の裏にあったのがシャビ、イニエスタの存在だ。「その中で自分がレギュラーを獲得するのは難しい」。結果的にこの決断は奏功。アーセナルで頭角を現し、クラブの最年少記録を次々に樹立。昨季は主将を務めるなど象徴的な存在となった。それでも最後の6年間は獲得タイトルはなし。そこで今季から約2年以上ラブコールを送ってくれた“古巣”へ復帰。念願のタイトルを獲得した。

 シャビ、セスクらはスペイン代表でも主軸となり、08年欧州選手権と10年W杯南アフリカ大会を制覇。狙ったタイトルを全て獲得したシャビは「勝ち続けられる限り全てのタイトルを獲得したい。まだタイトルに飢えている」と言う。世界を席巻するバルサの強さはまだまだ続きそうだ。

 ◆セスク・ファブレガス(フランセスク・ファブレガス・ソレール)1987年5月4日、スペイン・カタルーニャ州生まれの24歳。バルセロナの下部組織で育ち、03年のU―17W杯では得点王とMVP。大会後にアーセナル移籍し、昨季までプレー。43億円の移籍金で、今季からバルセロナ加入。06年3月1日のコートジボワール戦でスペイン代表デビュー。国際Aマッチ通算60試合8得点。1メートル75、75キロ。

 ◆シャビ(シャビエル・エルナンデス・クレウス)1980年1月25日、スペイン・タラサ生まれの31歳。11歳でバルセロナの下部組織に入り、18歳でデビュー。同クラブの歴代最多公式戦出場記録を更新した。99年世界ユース選手権(現U―20W杯)優勝、00年シドニー五輪銀メダル。00年11月15日のオランダ戦でスペイン代表デビュー。国際Aマッチ通算107試合10得点。1メートル70、68キロ。

 ≪4点差勝利は初≫バルセロナが4―0の快勝で世界一。決勝での4ゴールは6大陸王者のトーナメント大会になった05年以降では07年のACミラン(イタリア)がボカ・ジュニアーズ(アルゼンチン)に4―2で勝利して以来、2チーム目、4点差は初。欧州王者と南米王者が日本での一発勝負で争った80~04年のトヨタ杯25試合でも3点差は3度あったが、4点差は1度もなかった。

 ≪欧州王者5連覇≫これで07年以降、欧州王者がトヨタ・クラブW杯5連覇。60~79年のインターコンチネンタル杯、80~04年のトヨタ杯を含めると、80~84年に南米が5連覇、95~99年に欧州が5連覇している。次回大会では欧州勢に初の6連覇がかかる。

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2011年12月19日のニュース