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柏 世界4強!北中米王者と死闘PK戦制す

[ 2011年12月12日 06:00 ]

<柏・モンテレイ>PK戦で勝利を収め抱き合って喜ぶGK菅野(左)と最後のキッカー・林

クラブW杯準々決勝 柏1-1モンテレイ(PK4-3)

(12月11日 豊田スタジアム)
 柏が激戦を制して準決勝に駒を進めた。北中米カリブ海王者のモンテレイ(メキシコ)との準々決勝は1―1のまま延長でも決着がつかずにPK戦に突入。GK菅野孝憲(27)が1本目を止めて勢いづけ、PK4―3で死闘に終止符を打った。柏は07年の浦和、08年のG大阪に続く日本勢3チーム目のベスト4入り。14日の準決勝では南米王者のサントス(ブラジル)と対戦する。
【試合結果 日程&結果 柏メンバー】

 全員の気持ちがGK菅野に乗り移った。初戦のオークランド戦から中2日の強行日程ながら、選手は120分間走りきった。今大会初めての延長でも決着がつかずにもつれこんだPK戦。フィールドプレーヤーの思いを一身に背負った菅野がいきなりスーパーセーブを見せた。モンテレイの1番手はメキシコNo・1のプレースキッカーと呼び声高い主将MF・L・ペレス。「情報は少なかったが、試合の中で癖を盗んで対応した」。1メートル79の守護神は左に跳んで止め、勢いを呼び込んだ。

 ピッチ上で横1列に並んでPKを見守った選手たちは「PKを止める菅野を見たことがない」と不安を漏らしていたと言う。それを好セーブで一掃。モンテレイの4本目が右ポストに当たる幸運にも恵まれ、最後は延長後半から途中出場のFW林が右隅に決め、準決勝進出が決まった。横浜FC時代に三浦知良のシュート練習の相手だった菅野は「次戦はカズさんの古巣サントスだけど、相手がサントスだろうと大学生だろうとやることは同じ」と冷静に話した。

 序盤から劣勢のゲーム展開だった。前半2分、チリ代表のFWスアソのドリブル突破からの強烈なシュートをGK菅野が体を張って止めた。その後も耐える時間帯が続いたが、チーム全体に焦りはなかった。相手の動きに慣れてくると、マークの受け渡しなどを修正しながら踏ん張った。

 守備でリズムをつくると、最強の助っ人が均衡を破った。後半8分、FW田中の右クロスにMFレアンドロ・ドミンゲスがダイレクトで右足を振り抜き、ゴール左隅に決めた。「マイナス気味に上げたらレアンドロがいるだろうなと思ったら、本当にいた」と田中。その5分後に同点に追いつかれたが、オークランド戦の得点に続いてゴールに絡んだ田中は、フル出場で攻守に奮闘した。

 次戦も中2日の強行軍で、南米王者サントスとの準決勝が待ち受ける。ネルシーニョ監督は「2年半で改革計画を立て、実行してきた。時にはジョークを言いながらも“勝利の文化”を植え付けた」と自信をのぞかせた。これで世界2勝目。J2からJ1王者、そして世界舞台に躍り出た柏の史上最強の下克上は、まだ始まったばかりだ。

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2011年12月12日のニュース