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パスサッカー貫き4発圧勝 ザック監督「チームは成長している」

[ 2011年11月12日 06:00 ]

<タジキスタン・日本>サイドラインを割ったボールを蹴るザッケローニ監督

W杯アジア3次予選C組 日本4―0タジキスタン

(11月11日 ドゥシャンベ)
 明らかにザッケローニ監督はいらだっていた。試合中、珍しく「絞れーっ」「バランスッ」と怒声を飛ばす。何度も両手を広げ、テクニカルエリアとベンチを往復した。「あの状況では、我慢が必要だった。コンパクトにしなければ。バランスが崩れた状態では結果は伴わない」。試合後、苦戦した前半の戦いぶりをそう振り返った。

 タジキスタンは1カ月前、8―0で圧勝した時とは別のチームだった。劣悪なピッチも苦にせず、ロングボールを放り込むと前線からプレッシャーをかけてきた。当然、日本は戸惑った。「相手の方があのピッチでやり慣れてるなとは感じました。攻撃陣と守備陣が間延びしてコンパクトさに欠けた。監督もその辺が気にくわなかったんだと思う」。中村は言った。

 指揮官の「動き」は早かった。後半11分には1トップをハーフナーから前田に交代。「ハーフナーにきれいなボールが入らなかった。前線にダイナミズムを与えたかった」と言う。ターゲットとなる長身FWを配置するよりも“動き”をもたらすことで打開しようと試みた。凸凹のピッチにもかかわらずパスサッカーを貫いたのは意地か。結果、4―0に導いた。

 格下相手に苦しみながらの勝利で、既に日本代表歴代監督最多となっている就任後の無敗記録を16試合に更新。試合後にはウズベキスタンが勝ったことで3次予選突破が決まった。「ピッチは悪かったが、その中でもチームは成長している。うち(のサッカー)がはまれば(細かいパスワークで崩した)4点目のようなゴールが取れるんだよ」。最後は試合中の険しい形相がうそのような笑みを浮かべた。

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