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スペイン1部デビュー目前の20歳 指宿「ロンドンに出たい」

[ 2011年11月8日 09:33 ]

セビリアでスペインデビューを目指す指宿洋史

 スペイン1部で日本人6人目となるデビューを目前とした期待の大型ストライカーがいる。4部サラゴサBなど下部リーグからステップアップし、今季から強豪セビリアに所属する1メートル93のFW指宿洋史(20)だ。シーズン当初は2軍にあたる3部セビリア・アトレチコでプレーしていたが、トップチームに昇格して5日のマジョルカ戦で初めてベンチ入り。初出場はならなかったが、1部で結果を残して来年のロンドン五輪出場を目指す。

 スペイン4季目でついに夢舞台にたどり着いた。セビリアのFW指宿は3日にトップチームに初昇格し、5日の敵地マジョルカ戦でベンチ入り。日本人6人目となる1部デビューはならなかったが、冷静に足元を見つめて再昇格を誓った。

 指宿 初めてトップに同行できて素直にうれしい。でも使われなかったということは、まだまだ監督に信用されていないということ。自分のチーム(3部セビリア・アトレチコ)に戻って結果を出す。

 その言葉通り、すぐに6日の3部カラバカ戦で1得点を挙げ、今季成績を12戦7得点に伸ばした。今季からセビリアに完全移籍。2軍にあたる3部セビリア・アトレチコでプレーし、10月9日のロケタス戦でハットトリックを記録した活躍などが評価され、FWに負傷者が出たトップチームから声がかかった。昨季は3部サバデルで10得点を挙げて2部昇格に貢献。残留する選択肢もあったが、あえて新天地を選んだ。

 指宿 次のステップアップを望んでいた。サバデルに残って2部でプレーする魅力もあったが、僕の最終目標は2部ではなく1部でプレーすること。セビリアなどの下部チームなら、次のステップとしてトップチームに上がれるチャンスがあると思っていた。

 過去にスペイン1部でプレーしたFW城彰二(バリャドリード)ら5人の日本人選手はJリーグでの実績があったが、指宿はゼロ。柏ユースからトップチームに上がれず、入団テストを受けて09年1月に2部ジローナと契約。09~10年の4部サラゴサBなど下部リーグで実績を残してはい上がってきた“叩き上げ”だ。最初はスペイン語が全く話せず身ぶり手ぶりで乗り切るなど、ピッチ内外で苦労を経験してきた。

 指宿 僕の中では毎年少しずつステップアップしてきた気持ちが強い。スペイン語も最初の半年間だけ通訳をつけてもらったが、今はもう練習でも生活でも不自由しない。セビリアに来た当初はアンダルシアなまりのスペイン語がよく分からなかったけど、もう大丈夫(笑い)。食事は日本食がなくてもスペイン料理で全く問題ない。

 2月にU―22日本代表の中東遠征に参加。A代表で1メートル94のFWハーフナーが一気にブレークしたように、1メートル93の指宿が来年のロンドン五輪で“秘密兵器”となる可能性は十分にある。

 指宿 自分の売りは高さ。背の高さの割にはボールの収まりは悪くないと思う。もちろん五輪代表に選ばれてロンドン五輪に出場したい。そのためにセビリアで結果を出すことで認めてもらいたい。ゴールを決めることで代表に貢献できると思う。スペインでの経験を生かしたい。

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2011年11月8日のニュース