×

浦和に試練 山田直リーグ戦次節出場停止「ごめんなさい…」

[ 2011年10月30日 06:00 ]

<鹿島・浦和>肩を落とす原口(左から4人目)、山田直(同2人目)ら浦和イレブン

ナビスコ杯決勝 浦和0―1鹿島

(10月29日 国立)
 敗者として見上げるしかない勝者・鹿島の表彰式。後半2分、5分と続けて警告を受け退場となり、敗戦を背負うようにうなだれる浦和の山田直の耳に先輩たちの声が響いた。

 「相手の優勝をしっかり見ておけよ」。鈴木主将の声に続いて、目を潤ませた梅崎は「これから、もっと(一緒に)うまくなろうな」と優しく体を抱き寄せる。「ごめんなさい…ごめんなさい…」。それまで仲間たちに謝罪を繰り返していた21歳は次の瞬間、大粒の涙をこぼし、それから涙を拭いて顔を上げた。

 “ヤングレッズ”にとって過酷な10日間だった。リーグ戦ではJ1残留争いの渦中にいながらナビスコ杯では決勝に進出。電撃解任されたペトロヴィッチ前監督の後を受け、20日に就任した堀監督の下「楽しもう」と自分たちに言い聞かせて臨んだ国立決戦だった。だが、試合巧者・鹿島のペースにはまり、前半のシュートはわずかに3本。前日ニューヒーロー賞を受賞し、MVPとのダブル獲りを宣言していたFW原口は前を向いてボールをもらうことすらままならない。「鹿島は強かった」。そう切り出したエースは「きょう味わった悔しさを経てまた強くなっていければいい」と必死に涙をこらえた。

 120分の戦いで体は消耗し、中4日で迎える磐田とのリーグ戦(11月3日)では山田直が出場停止と試練は続く。だが、涙の乾いた梅崎は力強く前を向いた。「全ての出来事には意味がある。未来に向かってやっていくだけです」

続きを表示

この記事のフォト

2011年10月30日のニュース