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浦和、監督後任にミスター・レッズ福田氏が浮上

[ 2011年10月16日 06:00 ]

<浦和・大宮>勝利を喜び合う大宮イレブンの横で、ぼう然と立ち尽くす浦和イレブン

J1・第29節 浦和0―1大宮

(10月15日 埼玉)
 低迷が続く浦和の次期監督候補に、OBで元日本代表FWの福田正博氏(44)が浮上した。15日、大宮との大一番に0―1で敗れ、J2降格圏の16位に転落。試合後には今季就任したゼリコ・ペトロヴィッチ監督(45)が今季限りでの辞任を突然表明する事態に陥った。その一方で、クラブは後任人事に着手。現役時代にミスター・レッズと呼ばれた福田氏が有力候補となった。

 現役時代にミスター・レッズと呼ばれ、サポーターから絶大な人気を誇る福田氏が浦和の次期監督に浮上した。複数の関係者が有力候補としてリストアップされていることを認めたもので、実現すれば、まさに“切り札”として古巣の再建に全力を注ぐことになる。

 07年にアジア王者にも輝いた浦和の低迷は深刻だ。開幕前にはマルシオ・リシャルデス、永田らを補強。柏木、山田直、原口ら日本代表クラスがひしめく戦力を擁しながら開幕直後から低空飛行が続いた。9月11日、山形戦後の深夜には柱谷幸一前GM(50)を電撃解任。その後、ナビスコ杯で7年ぶりの決勝進出という成果も出た。

 だが、あれから1カ月。今度は大宮との大一番に敗れ、降格圏の16位に転落したペトロヴィッチ監督が「残り5試合が終わったら自分はチームに残らないと決めました」とクラブ幹部にも選手にも告げないまま、突然の辞意を表明する緊急事態に陥った。橋本光夫社長(62)は「監督と直接話をしていないので堪忍してください」とコメントを避けたが、ペトロヴィッチ監督は「残り5試合に全力を尽くすが、今回私がこういう話をしたことで、クラブがあしたにも行動を起こすかもしれない」と“即刻クビ”も覚悟しての行動だったことを示唆。昨季コーチを務めた福田氏は選手とも気心が知れており、空中分解寸前のチームを任せるにはうってつけの存在とも言える。

 ただ、クラブでは福田氏をきれいな形で監督就任させたい意向もあり、今季いっぱいは現指揮官を続投させる案のほか、山田直や原口をよく知る堀孝史ユース監督(41)が暫定で残り試合の指揮を執る可能性も。いずれにせよ、12年ぶりのJ2降格を阻止するため“待ったなし”の状況となった。

 ◆福田 正博(ふくだ・まさひろ)1966年(昭41)12月27日生まれ、神奈川県横浜市出身の44歳。相模工大付高(現湘南工大付高)を経て中大に進学。卒業後の89年に日本サッカーL2部の三菱重工(現浦和)に入部。93年に開幕したJリーグでも活躍し、02年に引退するまで浦和一筋で「ミスター・レッズ」の愛称を持つ。08年から浦和でコーチとして復帰し、10年の契約満了で退団。現役時代のポジションはFW。

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