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福岡大J1撃破!清武弟・功暉“下克上”けん引

[ 2011年10月11日 06:00 ]

<大宮・福岡大>PK戦の末勝利し、大喜びの福岡大イレブン。右端が清武功暉

天皇杯2回戦 福岡大1―1(PK5―3)大宮

(10月10日 熊谷陸)
 天皇杯2回戦は10日、各地で9試合が行われ、福岡大(福岡)がPK戦の末に大宮を破る大金星を挙げた。日本代表とU―22日本代表で活躍する清武弘嗣(21=C大阪)の弟・功暉(こうき=3年)を中心にカウンターを仕掛け、1―1でPK戦に持ち込み、5―3で勝利。大学チームのJ1撃破は09年に山形を破った明大以来、2校目の快挙となった。神戸など他のJリーグ勢は順当に3回戦に進んだ。
【試合結果 組み合わせ】

 開始直後から何か起こりそうな予感があった。前半2分、FW清武が相手DFのバックパスを奪ってゴールに迫ると、同12分にも右クロスにファーサイドで頭を合わせるなど、隙を見逃さずに攻め込んだ。この清武のプレーが“J1相手でもやれる”という自信を呼び、PK戦の末の勝利へとつながった。

 「前半に決められるところが3本あった。勝ったのはうれしいけど、自分で決めたかった」。主力FW2人をケガで欠く中、清武は無得点に終わったことを悔やんだが、表情は晴れやかだった。

 後半25分から試合が一気に動いた。FKを直接決められて先制を許すと、26分に清武が退いた。そして27分、クリアボールに詰めたMF田中が右足で同点弾を押し込んだ。「僕たちは失うものは何もない。入ってよかった」。千金弾のヒーローは胸をなで下ろした。

 名古屋のU―22日本代表FW永井を擁した09年は2回戦でJ2水戸を延長の末に3―2で破った。当時と比べて派手さはないが、延長後半13分にはがら空きになったゴールに蹴られたシュートをDF牟田が頭でクリアするなど全員が体を張った。牟田は「守るということがはっきりしていた」と話した。中盤の守備意識を高め、相手ボランチと1トップのラインを寸断し、09年の明大以来の大金星を呼んだ。乾監督は「120分、大学生として持てる力は一滴も残っていないくらい全て出し切った」と選手を称えた。

 3回戦はJ2湘南と対戦するが、清武は結果にこだわっていく。「兄のおかげで注目されるようになった。J1でやりたいのでアピールしたい」。次は自身のゴールでJリーグ勢をきりきり舞いさせる。

 ◆清武 功暉(きよたけ・こうき)1991年(平3)3月20日、大分市生まれの20歳。兄・弘嗣はC大阪所属。ユースの大分U―18では大宮のMF東と同期。現在、福岡大3年。FW。1メートル77、65キロ。

 ≪大学勢2校目のJ1撃破≫福岡大がJ1の大宮にPK戦の末に勝利。天皇杯で大学生がJ1チームに勝ったのは09年3回戦で明大が山形戦(○3―0)に勝って以来、2度目。他にJFL以外の都道府県代表では、09年2回戦で地域リーグの松本山雅(現JFL)が浦和(○2―0)に勝利した例がある。大学生の対Jリーグ通算最多勝利は明大の3勝。福岡大は09年2回戦でJ2水戸に延長戦の末に3―2で勝っており、明大に次ぐ2勝目となった。

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2011年10月11日のニュース