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リーグ戦281日ぶり…香川、今季初ゴール!!

[ 2011年9月19日 06:00 ]

<ドルトムント・ハノーバー>今シーズン初ゴールを決め笑顔の香川

ブンデスリーガ・第6節 ドルトムント1―2ハノーバー

(9月18日)
 ドルトムントの日本代表MF香川真司(22)が、今季初得点を決めた。18日にアウェーのハノーバー戦にトップ下で先発出場し、後半18分に先制ゴール。試合は1―2で敗れたが、香川がリーグ戦で得点するのは昨年12月11日のブレーメン戦以来281日ぶり。今年1月の右足骨折を乗り越えての完全復活は、エース本田圭佑(25=CSKAモスクワ)を故障で欠く日本代表にとっては、何よりの追い風となりそうだ。

 ついにトンネルを抜けた。香川が今季リーグ6戦目で待望の初ゴールを決めた。0―0で迎えた後半18分だ。ペナルティーエリア外でこぼれ球を受けると右足の鋭い切り返しで相手DFを一気に抜き去り、飛び出してきた相手GKの鼻先で右足でふわりとボールを浮かせてゴール左隅に流し込んだ。「イメージ通りだった。GKの動きも冷静に見られた」。ゴール前の切れ、そして冷静さという背番号23の特長が凝縮された先制弾だった。

 完全復活を告げるゴールだ。リーグ戦の得点は昨年12月11日のブレーメン戦以来9カ月ぶり。今年1月にアジア杯準決勝・韓国戦で右足小指のつけ根を骨折。5月14日のリーグ最終節フランクフルト戦で途中出場したものの、本格復帰は今季から。日本代表では8月10日の韓国戦で2得点を挙げたが、ドイツのファンに昨季前半戦のMVP男の復活を印象づけた。

 “2年目のジンクス”にはまりかけていた。リーグ開幕から5試合連続で先発しながら無得点。欧州移籍1年目の昨季は開幕3戦目のボルフスブルク戦で初得点を挙げるなど開幕5試合で3得点をマークしていた。欧州CL初出場となった13日のアーセナル戦でも相手GKとの1対1の場面があったが「迷った結果」外してしまうという香川らしくないプレーもあった。復調のきっかけは初心を思い出したこと。「良かろうが、悪かろうが、次の試合に向けて切り替えて。そういう良いリズムでやれた去年を思い出しながらやりたい。悩みすぎてもしようがない」。良い意味で考え過ぎずにプレーしていた昨季と同じ心構えで試合に臨み「前半からきょうはいけると思った」と手応えを得点に結びつけた。

 チームでも、日本代表でも香川へかかる期待は大きい。ドルトムントでは司令塔だったMFシャヒンがRマドリードへ移籍。さらにFWバリオスが太腿のケガで長期離脱しており、今季は相手のマークが香川へ集中する要因になっている。日本代表ではMF本田が右膝半月板損傷で離脱。その本田に代わってトップ下でもプレーしたW杯アジア3次予選の2日の北朝鮮戦、6日のウズベキスタン戦は2戦連続不発に終わり「僕は結果を残さなければならない立場」と反省を口にしていた。だが、この得点をきっかけに10月11日のタジキスタン戦に向けて調子を上げていきそうだ。

 香川の先制点を守れずに1―2で逆転負けを喫し、公式戦4戦連続で勝利なし。「初ゴールはよかったが、チームが勝てればもっとよかった」。下位に沈む昨季リーグ王者が浮上するためには、エースのさらなる活躍が必要になりそうだ。

 ◆香川完全復活の軌跡◆

 ▽10年12月11日 ホームのブレーメン戦にトップ下でフル出場。後半25分にリーグ8得点目を奪う。
 ▽同21日 ブンデスリーガの公式サイトで発表された前半戦MVPに日本人で初選出。
 ▽11年1月21日 カタールとのアジア杯準々決勝で全3得点に絡む活躍。
 ▽同25日 アジア杯準決勝の韓国戦で右第5中足骨を骨折。翌日にチームを離脱し、決勝は欠場。
 ▽同30日 都内の病院で骨折箇所の手術。2月5日に退院し、本格的なリハビリ開始。
 ▽5月14日 ブンデスリーガ最終節のフランクフルト戦で復帰。後半43から出場。
 ▽同17日 ドルトムントと欧州組の日本人選手による選抜チームが対戦した東日本大震災のチャリティーマッチに日本選抜の主将として出場。前半35分にPKを成功させ“復帰後初ゴール”。
 ▽8月10日 韓国との親善試合で197日ぶりに日本代表に復帰し、2得点の活躍。
 ▽9月13日 アーセナル戦に先発して欧州CLデビュー。無得点で後半40分に交代。

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2011年9月19日のニュース