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「この子はとんでもないことが…」宮間あや 10歳で放ったオーラ

[ 2011年8月28日 07:00 ]

世界屈指のFKを誇る宮間

 ニュージーランドとのW杯1次リーグ初戦。なでしこジャパンのMF宮間あや(26)は世界最高レベルと称されるキックでいきなり魅せた。勝ち越しの直接FKを決めると、その後も左右から繰り出す正確なキックで数々のゴールを演出し、世界一の立役者になった。

 その才能をいち早く見いだしたのが、現在、U―19女子日本代表コーチの本田美登里さんだ。宮間が10歳のときに、サッカーイベントで初めてプレーを見て、他の誰もが持ち得ないオーラを感じたという。「この子はとんでもないことができるはず」。小学生時代から一流選手と触れ合う機会をつくり、小学6年の時にはFKの名手だった木村和司氏(現横浜監督)の手ほどきも受けさせた。宮間は「何本か一緒に蹴らせてもらった。“枠を狙うと入らない。外を狙うといい”と教えてもらった」。名手の助言をW杯初戦という大舞台で見事に生かした。

 試合中は険しい表情だが、実は笑顔がトレードマーク。宮間が行きつけのうどん店「はまだや」(美作市)の店主・浜田泰明さんは「ケラケラとよく笑う。誰に対しても愛想が良くて、プロ意識の強さに感心させられる」。W杯から帰国直後、同店で家族連れのファンから写真撮影を求められると、快く応じるだけでなく、子供を抱きかかえながらカメラに向かって笑顔を見せたという。

 なでしこの中でも雰囲気づくりには気を配る。「戦う集団だけど、楽しくやれることが大事だと思う」。高校2年から過ごした湯郷の地ではぐくまれた世界屈指の技術と優しい心。それらを再び世界の舞台で輝かせる。

 ◆宮間 あや(みやま・あや)1985年(昭60)1月28日、千葉県大網白里町生まれの26歳。小学1年からサッカーを始める。岡山湯郷のほかには日テレ、ロサンゼルス、セントルイス、アトランタでプレー。03年に代表に初招集され、W杯米国大会に出場。07年のW杯中国大会では2得点。1メートル57、50キロ。

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2011年8月28日のニュース