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家族が献身的看病も…松田、厳しい状態続く

[ 2011年8月4日 06:00 ]

急性心筋梗塞で倒れた松本山雅のDF松田

 急性心筋梗塞で倒れて意識不明の重体となり、長野県松本市内の病院に入院した元日本代表DF松田直樹(34)は、発症から一夜明けた3日も意識は戻らず、集中治療室(ICU)で懸命の治療が続けられた。依然として厳しい状態が続いているが、病院にはサッカー界の多くの仲間が駆けつけ、松田の回復を祈った。また、今季から所属するJFL松本山雅の大月弘士社長が、前夜の緊急手術の内容を明かした。

 不屈の闘志で日本代表や横浜を引っ張ってきた松田が襲われた突然の悲劇。日本中のファン、サポーター、仲間たちが悲痛な思いで回復を祈っているが、一夜明けた3日も厳しい状態は変わらなかった。

 所属するJFL松本山雅の大月社長によると「容体はきのう(2日)と変わらず、非常に危険な状態」。前日行った緊急手術については「冠状動脈の詰まりをワイヤを使って取る処置をした。人工心肺をつけて、カテーテルを入れて、検査、治療をした」と説明した。

 松田は依然として意識不明で、付き添っている家族は頻繁に手を握るなど献身的に看病にあたり、松本山雅に届けられた回復を願う約120件の電話、メール、ファクスをまとめた書類も家族に手渡されたという。

 この日、松田とガラス越しではなく直接対面したチームメートからは、全員の激励の言葉が書き込まれたTシャツが贈られ、枕元に飾られた。頑張れ、マツ!負けるな、マツ!誰もが、あの人懐こい笑顔が戻って来ることを信じて待っている。

 ▽心筋梗塞 心臓に酸素と栄養を送る血管(冠動脈)が詰まり、心臓の筋肉(心筋)の機能が低下する虚血性心疾患の1つ。一般的に急に起こる急性心筋梗塞のことを指す。休むことなく全身に血液を送るポンプの役割を果たしている心臓の筋肉は、大量の酸素と栄養を必要とする。それらを供給するのが、心臓に張り巡らされた冠動脈。この動脈がつまると、酸素と栄養が届かない心臓の細胞、筋肉が死ぬ壊死(えし)状態が進行し、最終的には心臓が止まってしまう。心筋が壊死する前の段階を狭心症という。

 冠動脈が詰まる主な原因は血管が硬くもろくなる動脈硬化で、一般的には高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙、肥満などが理由で引き起こされると考えられている。心筋梗塞の主な治療法は、詰まった部分を投薬で溶かす方法、血管内に細い管(カテーテル)を入れて詰まった部位を広げる方法がある。厚労省によると、07年の心疾患での死亡者数は約18万人で、死因としてはがんの34万人に次ぐ2位。心筋梗塞の致死率は高く、20~30%といわれている。

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