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安藤「やっと見返せた」 原動力は“上から目線”欧米勢への反骨心

[ 2011年7月23日 10:14 ]

W杯準々決勝のドイツ戦で、ドリブルで攻め込む安藤梢

 世界一となったなでしこジャパンには、外国勢から浴びせられた“上から目線”への反骨心があった。09年12月、浦和からドイツ1部の強豪デュイスブルクに移籍したFW安藤梢(29)は言う。

 「同じチームにはドイツ代表もいるんです。大会前は言い合いになっても、完全になめられてました。日本のサッカーは美しいと言ってくれる。でも“勝つのは私たちよ”みたいな。やっと見返せたと思います」

 ドイツ移籍後、シャルケの日本代表DF内田らと食事をする機会も多いという。男女の違いはあるが、サッカーへの感性は共有できる部分が多かった。「ウッチーと話していても、サッカーへの感じ方、方向性は一緒でした。日本人は、足元の技術は高いんです。でもフィジカルの強さは当然ですけど、練習中の激しさが凄く、向こうはいつも勝負している」

 だからこそ、安藤は「もっと日本の女子選手も海外移籍するべきだと思います」と説く。例えば、今回もドイツ、米国と世界2強を撃破したが、日頃から接しているため、相手の性格まで理解できていたという。「米国はとにかくポジティブ。ドイツは個が強くてキレやすいんです」。当然、ピッチ内での駆け引きにも有利に働いた。

 欧州移籍と言葉にすれば華やかだが、男子のそれとは違い、経済的に恵まれるわけではない。それでも飛び込むだけの価値はあった。外国人の肉体的、性格的な特徴を知り得たこと。そして上から目線に対する反骨心は間違いなく、世界一への原動力となった。

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2011年7月23日のニュース