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李忠成 ドイツ1部ヘルタと本格交渉…代理人が渡独へ

[ 2011年7月6日 06:00 ]

ヘルタと本格交渉を開始することが分かった広島・李忠成

 ドイツ1部ヘルタが、広島の日本代表FW李忠成(25)の獲得に乗り出していることが5日、分かった。既に本格交渉を開始しており、近日中に李と代理人契約を結ぶ稲川朝弘氏がドイツ入りして条件面の調整に入る。李にはドイツやイタリアなどの複数クラブが興味を示しており、ヘルタが獲得に本腰を入れたことで、欧州移籍に大きく前進した。

 日本屈指のストライカーに成長した李が、夢の欧州移籍に前進した。ドイツ1部ヘルタが獲得に乗り出し、既に本格交渉がスタート。代理人の稲川氏が近日中にドイツ入りして、契約年数や年俸など条件面の調整を行う。関係者は「条件面の折り合いがついてクラブ間交渉に発展すれば、移籍が実現する可能性は高い」と明かした。ヘルタは昨季2部で優勝を果たし、今季から1部に復帰。1部での上位進出に向けて、攻撃的選手を補強ポイントに挙げている。ドイツでは日本人選手の獲得ラッシュが続いているが、ヘルタもまたその流れに乗る形で日本人選手をターゲットに調査を進め、最終的に李に絞った。

 李は1月のアジア杯決勝オーストラリア戦で鮮やかな決勝弾を決めて世界から注目を浴びた。リーグ戦でも質の高いプレーを維持し、今季13試合で5得点を記録。4位と好調のチームの原動力となっている。広島への愛着は強いが、その一方で「海外でプレーしてみたい気持ちは強い。周りのみんなも行っているし刺激になる」とも語っていた。13年1月まで契約を残す広島側も正式オファーが届けば、李の意思を尊重する方針だ。

 李にはセリエAのアタランタ、ドイツ2部ボーフムなど欧州の複数クラブが興味を示している。今後の状況次第では、さらなるオファーが届く可能性もあるが、本格交渉に発展したのはヘルタが初となる。07年2月に日本国籍を取得。08年北京五輪では本田、長友、内田らとともに、3戦全敗の屈辱も経験した。14年W杯ブラジル大会で、ザックジャパンのエースに君臨することを目標に掲げるストライカーが、活躍の舞台を、ドイツに移す可能性が高まってきた。

 ≪ヘルタ・ベルリン≫1892年創設。ベルリンに本拠を置く。97~98年シーズン以降は1部で安定した成績を残していたが、09~10年に最下位に沈み2部降格。昨季2部で優勝し、1年での1部復帰に成功した。「ヘルタ」は船の名前が由来。本拠地オリンピアシュタディオンは収容人数7万6000人。80~81年シーズン途中には奥寺康彦がケルンから移籍。マルクス・バベル監督(38)。

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2011年7月6日のニュース