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香川ぶっつけW杯予選“骨折明け”過密日程に配慮

[ 2011年6月13日 06:00 ]

9日、ファンサービスするドルトムントのMF香川真司

 ドルトムントのMF香川真司(22)が“ぶっつけ本番”でW杯予選初戦に臨む可能性が出てきた。日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(58)が、香川の韓国戦(8月10日、札幌ド)招集に慎重な姿勢を見せていることが12日、明らかになった。1月のアジア杯で右第5中足骨を骨折し5月に実戦復帰したばかりで、強行日程により再びコンディションを崩すことを避けるためで、香川は9月2日のW杯アジア3次予選初戦(相手、場所とも未定)から代表復帰することが濃厚だ。

 “日本の切り札”の代表復帰がW杯予選初戦にまでずれ込む。香川に関して、8月10日の韓国戦は回避、9月2日のW杯アジア3次予選初戦で招集するプランが浮上している。香川は「来季は1年間戦いたい」と新たなシーズンでのフル回転を誓っていたが、日本代表については強制休養を与えられることになる。

 1月のアジア杯で右第5中足骨を骨折した香川は、5月14日のリーグ最終戦フランクフルト戦で約4カ月ぶりに公式戦のピッチに立った。ドルトムント首脳陣はシーズン中の復帰には否定的だったが、香川本人の強い希望もあって短時間の起用に踏み切った。負傷明けの香川になるべく負担をかけたくないというのがドルトムント側の本音で、それはザッケローニ監督も同じだった。

 ブンデスリーガは8月5日に開幕。ドルトムントは、その前の7月23日のドイツ・スーパー杯に出場する。もし香川が韓国戦に出場すれば、シーズン開幕直後の大事な時期に、長時間の移動と時差調整を伴う強行軍を強いられる。既に実戦復帰しているとはいえ、再びコンディションを崩す危険性が高まる。指揮官は万全の状態でW杯予選初戦に招集するため、あえて韓国戦を回避させようとしているのだ。

 もちろん“危険な賭け”でもある。韓国戦はW杯予選開幕直前の最後の試合。7月30日にはW杯予選の組み合わせ抽選(リオデジャネイロ)が行われ対戦相手も決定するため、8月の合宿では初戦の相手を意識した練習を行うことも予想される。その合宿に不参加となれば香川は周囲と連係を深める機会を失う。そしてザッケローニ監督は攻撃の軸を欠いてチームづくりを進めざるを得ない。それでも指揮官は香川のコンディションを最優先する。

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2011年6月13日のニュース