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大久保30メートル弾!昨年7月以来のゴール

[ 2011年4月24日 06:00 ]

<甲府・神戸>前半41分、先制ゴールを決めた神戸・大久保(中央)はチームメートと喜び合う

J1第7節 神戸1-1甲府

(4月23日 中銀スタ)
 大胆なシュートの裏に、緻密な計算があった。前半41分、ゴールまで30メートル離れた右サイド。神戸の大久保は迷わず右足を振り抜いた。

 「普段はあの距離から打たないよね」。相手の意表をつき、かつ雨で濡れた芝の状態を考えた低い弾道の一撃。相手の選手に当たり、角度が変わって今季初得点がゴールマウスに消えた。

 「下がスリッピー(滑りやすい状態)だったし、何が起きるか分からないと思って打った。久しぶりの得点?引き分けなんで、しっくりこない」

 昨年7月25日の大宮戦以来のリーグ戦ゴールでも、後半の失点で喪失した「勝ち点2」が頭から離れない。ただ、ピッチで見せた存在感は相変わらずだ。今年1月に78キロだった体重は現在69キロ。取り戻した体のキレとスピードがプレーの幅を広げている。

 背番号13を背負うストライカーに限らず、神戸のモチベーションは高い。16年前、阪神・淡路大震災を経験した被災クラブは、今回の大震災ではJリーグで真っ先に義援金口座を開設。前日22日には、勝利給の一部を義援金に充てることを発表した。「プレーできることの喜びを味わっているし、勇気づけられるように」。28歳の円熟FWはチームの思いを代弁した。

 スタンドでは、代表スタッフが観戦。「代表?まだ早いっすね。ただ、最終的には、そこに入りたい」。前線で体を張った南アフリカW杯から間もなく1年。胸を打つプレーの使命は今年も重い。

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2011年4月24日のニュース