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小笠原 スパイクに思い込め「東北人魂」

[ 2011年4月23日 06:00 ]

鹿島の小笠原が使用する「東北人魂」の刺しゅう入りのスパイク

J1第7節 鹿島―横浜

(4月23日 国立)
 東日本大震災の影響で中断していたJリーグは23日に再開する。ホームスタジアムが深刻な被害を受けた鹿島は国立競技場で横浜と対戦。岩手県出身のMF小笠原満男(32)は「東北人魂」の刺しゅう入りスパイクを履いてピッチに立つ。東北サッカー協会が始めた「東北サッカー未来募金」にも関わっており、リーグ戦再開後もサッカーと復興支援を両立していく。
【4月の日程】

 4文字に復興への思いを込めた。小笠原は今季から契約を結ぶKappa社に、黒スパイクのベロ部分に白文字で「東北人魂」の刺しゅうを入れるように依頼。22日午後に手元に届いた。リーグ再開初戦に間に合い「多くの人が注目してくれると思うので、少しでもメッセージを発信したかった」と意図を説明した。

 小笠原はJリーグ選抜として出場した3月29日の慈善試合の入場時に直筆で「東北人魂」と記したTシャツを着用した。岩手県盛岡市出身。高校時代を、津波被害を受けた大船渡市で過ごしており「それ(東北人魂)以上の言葉はいらないと思う。東北人には強さ、優しさがある。その人間性があれば、復興できると信じている」と語った。

 被災地支援に奔走してきた。震災直後に大船渡市と陸前高田市に足を運び、過酷な生活環境を実感。チームメートや東北出身Jリーガーらから支援物資を集めて被災地に送り続けている。必要な物資は日々変化するため、被災地と密に連絡を取り合っており、現在クラブハウスはランドセルが山積みの状態。自ら仕分け作業を行うため、夜遅くまでクラブハウスにいることも多い。スタッフから「節電も大事だから、そろそろ終わりにしよう」と帰宅を促されたこともあった。

 東北サッカー協会が始めた「東北サッカー未来募金」の発足にも関わっており、将来的に各県に屋根付きスタジアムを建設する夢もある。「東北の少年は冬は雪でグラウンドでサッカーができない。元に戻すのではなくて、さらにいい街にしたい」。サッカーと支援の両立で多忙を極める中「勝利が被災したサポーターへの一番のプレゼント」と横浜戦の勝利を誓った。東北人魂を胸に、国立のピッチに立つ。

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