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震災から1ケ月 仙台「復興の先頭に立つ覚悟で」

[ 2011年4月12日 06:00 ]

<仙台練習>マックス(中央)、梁(左端)ら仙台イレブンは手をつなぎながらリフティングを続ける

 東日本大震災で深刻な被害を受けたJ1仙台は、震災発生から1カ月が過ぎた11日、合宿を張る千葉県内で練習を行った。練習前に手倉森誠監督(43)は選手を集めて、被災地復興の先頭に立つ覚悟を胸に今季に臨むことを再確認。FWマルキーニョス(35)の電撃退団などチーム事情は厳しいが、団結力と精神力で苦境を乗り越えることを誓った。

 悪夢のような震災から1カ月。手倉森監督は練習前に選手を集めた。23日のJリーグ再開に向けて「悲惨な状況を目の当たりにしたわれわれが再びサッカーをできる感謝を忘れず、そしてわれわれが復興の先頭に立つんだという覚悟を持ってリーグ再開を迎えよう。背負っているものの大きさを感じて戦わないといけない」と熱い思いを伝えた。

 激動の1カ月だった。震災後、チームは解散を余儀なくされ、3月28日から水くみや、がれき撤去などのボランティアで活動を再開。翌29日に練習を再開後も被災地支援に奔走してきた。今月3日に千葉県に入り合宿を開始したが、9日にはFWマルキーニョスが地震と放射性物質に対する不安に耐え切れずに退団。MF梁勇基は「怒とうの1カ月だった。いろんなことがありすぎて…。忘れられない出来事ばかり」と振り返った。

 震災後初の対外試合となった10日の東洋大戦は1―0で辛勝。後半に運動量が落ち、連係面にも課題が残るなど準備不足は否めない。リーグ再開初戦となる23日の川崎F戦後にチームは仙台に戻る予定だが、断続的な余震は続いている。現時点で仙台市内の練習会場も確保できておらず不透明な部分は多い。

 それでも手倉森監督は「団結力はJリーグの中で仙台が一番だと思っている。心が折れている選手は1人もいないし、団結力で窮地を乗り切りたい。被災クラブが団結力を見せれば、日本の力になれるはず」と力強く言い切った。被災クラブだからこそ発信できることがある。悪夢の瞬間から1カ月が経過し、仙台イレブンが今季の持つ重要性を再確認した。

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2011年4月12日のニュース