鹿島が放射能セミナー オリヴェイラ監督“質問攻め”
鹿島は31日、鹿島スタジアムに選手、スタッフ、クラブ職員約100人を集めて「放射能と安全に関するセミナー」を開催した。
放射線を専門とする茨城大の田内広、高妻孝光の両教授を招き、約2時間の講義を実施。茨城県復興支援活動「WITH HOPE プロジェクト」の一環で、福島第1原発事故に対する選手の不安を取り除くとともに、風評被害の拡大防止にも役立てる方針だ。
オリヴェイラ監督は熱心に質問した。海外では放射能問題が過剰報道され、一部メディアでは「日本ではみんなガスマスクをつけて生活している」「原子パニック」などと報じられている。指揮官はチームに合流するため、反対する家族を説得して30日に来日。「ブラジルでは日本政府が正確な情報を開示していないと疑問視する報道があった」と明かし「遠くの情報と実際で目で見て確認する事実にはギャップがある。正確な知識を持てば、安心して仕事に取り組める」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。
今回のセミナーはJ2水戸、茨城県協会とともに立ち上げた県復興支援活動「WITH HOPE プロジェクト」の一環。関係者は「選手は情報を発信する立場でもある。正しい知識を得ることで風評被害の拡大も防ぐことにつながる」と説明した。選手、スタッフ、職員の不安を取り除くとともに、社会への還元も視野に入れている。スタジアムが破損するなどの被害を受けた被災クラブとして、鹿島が今後もできる限りのことに取り組んでいく。
≪放射能と安全に関するセミナーの主な内容≫
(1)安定ヨウ素剤は高い甲状腺被ばくが見込まれない限り使用するべきではない。
(2)万が一、福島第1原発でチェルノブイリ規模の爆発が起きても鹿島への影響は少ない。
(3)3月31日の鹿嶋市内の放射線は0・23マイクロシーベルトで、大阪の方が約1・5倍多い。
(4)現時点の放射線量では90分間、雨の中を走り続けても基本的に問題はない。
(5)現時点の放射線量での発がん死亡リスクは喫煙による肺がん死亡リスクより低い。
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