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J開幕戦でぶち抜いた!永井が救いの“アシスト”

[ 2011年3月6日 06:00 ]

<名古屋・横浜M>試合終了間際にペナルティーエリアでファウルを受ける名古屋・永井(手前)

J1第1節 名古屋1―1横浜

(3月6日)
 異次元のスピードだ。スーパールーキー永井が昨季王者を救った。名古屋はホームで横浜と対戦。この日が22歳の誕生日だったFW永井謙佑は後半21分から出場し、0―1で迎えた後半終了間際、ドリブル突破で元日本代表DF中沢佑二(33)らをぶっちぎりPKを奪取。1―1のドローに貢献した。プロ入り後リーグ戦初出場した逸材ストライカーが才能の片りんを披露した。

 名古屋を救ったのはルーキーの規格外のスピードだった。1点を追う後半ロスタイム4分、FW永井はDF中沢との競り合いでボールを奪うと、ギアをトップに入れてドリブル開始。2人を抜き去りペナルティーエリア内に突入したところでDF栗原に倒された。そのPKをケネディが決めた瞬間に試合終了のホイッスルが鳴った。

 「こぼれ球が落ちてきたので、ペナ(ルティーエリア)に進入しようと。自分の売りはスピードなんで、そこを積極的に出したかった」。涼しい顔で振り返るルーキー。対照的に代表経験者ぞろいの横浜DFラインは一様に衝撃を受けていた。2度も置き去りにされた中沢は「やっぱり速いっすわ」とお手上げ。PKを与えた栗原は「やられて爽快。警戒レベル、マックスです」と開き直りの境地。木村監督は「スピード違反にならんかなあ」とあきれ顔だった。

 プロとして初のリーグ戦とはいっても、昨季神戸の特別指定選手で3試合に途中出場。1日のACL杭州緑城戦では名古屋の一員として公式戦を経験しており、Jの舞台に緊張はなかった。後半21分に金崎と交代でピッチに入ると、同38分にはバーを叩く左足ダイレクトボレーを放つ。その3分後にもドリブルで中沢を振り切ってGKとの1対1へと持ち込んだ。

 この日は22歳の誕生日だった。「決めたかったですね」。チャンスを逃しバースデーゴールを奪えなかったことに反省しきり。ただ杭州緑城戦では持ち味を出せなかっただけに「動き方とか分かるようになりました」と連係に対する手応えも口にした。観戦したドイツ人代理人のトーマス・クロート氏へも大きなアピールとなったはずだ。

 昨季王者にとっても価値あるドローだ。この日はケネディが徹底マークされサイド攻撃の威力は半減したが、50メートル走5秒8のルーキーの俊足が新たな武器になることが証明された。ストイコビッチ監督も「彼のプレーはパーフェクトで皆さんにとっては驚きだったと思う。スピード、決定力があり、素晴らしいの一言」と手放しで称えた。スーパーサブ永井という切り札を手にした名古屋が今年もJの主役を演じる。

 ≪開幕不敗神話継続≫昨季王者の名古屋が後半ロスタイムのPKで辛うじて引き分け。これでシーズン開幕戦は03年から△○△○○△○○△と9年連続負けなし。J1開幕戦連続無敗の最長記録を更新した。

 ≪連覇へ大きな△≫前年優勝チームの翌年開幕戦成績は通算9勝4分け(PK勝ち1含む)5敗となった。敗れた延べ5チームはいずれもリーグ戦連覇できていないだけに、終了間際の同点PKは貴重なゴールとなるかもしれない。

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