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「そこまで守備しなくていいよ」ブレークは同僚の一言から…

[ 2011年3月4日 11:28 ]

昨季はJ2福岡に所属、リーグ4位の15得点を記録したMF永里源気=2010年11月撮影

3・5開幕!J1キーマン

 失礼ながらこれだけ期待されて迎えるシーズンは初めてでは?そんな問いかけに、甲府のMF永里源気(25)は「それは…間違いないですね」と笑った。

 J2福岡でプレーした昨季はリーグ4位の15得点。福岡に10年ぶりのJ1昇格をもたらす立役者となった。だが、09年までのプロ6年間でJ通算11得点にすぎなかった永里の才能が一気に開花した背景には、本人が挫折を味わう度に何かを学び、はい上がってきた経緯がある。

 中1から3年間を東京Vのジュニアユースでプレーしながらユースには昇格できず、湘南ユースへ“転校”。04年に湘南のトップチームに昇格を果たしたが、得意の攻撃的なポジション以外でプレーすることも多かった。だが、GKとセンターバック以外全てを経験した中で守備の大切さを知り、湘南から戦力外通告を受けて09年に東京Vへ復帰すると、同僚から運命の一言を掛けられた。

 「そこまで守備しなくていいよ」。湘南時代は守備に気を取られるあまり発揮できなかった攻撃力。東京Vでは出場機会に恵まれなかったが、その分、練習で攻撃力に磨きをかけることに集中した。その結果が福岡でのブレークだった。

 3年連続での移籍となった今季は自身初となるJ1でのプレー。だが、不安は少ない。「やっとJ1の舞台でできるのが楽しみです。そっちのが大きいんですよ」。大きな期待を背負って迎える初めてのシーズンが、もうすぐ始まる。

 ◆永里 源気(ながさと・げんき)1985年(昭60)12月16日、神奈川県厚木市生まれの25歳。湘南ユースから04年にトップチーム昇格。09年東京V、10年福岡とJ2で7年間プレー。今季から甲府。家族は夫人と1男1女。1メートル78、69キロ。利き足は右。血液型A。

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2011年3月4日のニュース