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家長 強烈ボレーでV弾演出

[ 2011年3月3日 06:00 ]

エスパニョール戦の後半、味方の逆転ゴールに喜ぶマジョルカの家長(右)

 ザックジャパンの秘密兵器が存在感を見せた。マジョルカのMF家長昭博(24)は1日、敵地のエスパニョール戦に後半35分から途中出場。3分後の同38分には強烈なシュートを放ち、決勝ゴールの起点となるなど2―1の勝利に大きく貢献した。日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(57)も期待するレフティーが、欧州で才能を開花させている。

 和製メッシが、その本領を発揮し始めた。1―1の後半35分、勝ち越しの切り札としてトップ下に投入されたMF家長が3分後の同38分、大仕事をやってのけた。MFテヘラの左からのクロスをペナルティーエリア右から得意の左足でボレーシュート。強烈な一撃は、相手GKも辛うじて防ぐのが精いっぱい。こぼれ球をMFヌスエが決める。決勝ゴールを家長がお膳立てする形となった。

 「僕が決めたかった。でもヌスエが決めてくれたので(良かった)。徐々に、ボールが集まってくるようになったし、良い感じでできました。連係も良くなってきました」。シュートが決まらなかった瞬間は頭を抱えた家長だったが、直後に勝ち越しのゴールが決まり、人懐こい笑顔を見せた。この日のマジョルカは序盤にPKを失敗し、その後に先制される最悪の展開。逆転勝利を呼んだ家長はまさに救世主だった。

 2月26日には憧れの常勝軍団バルセロナと対戦した。後半24分からの出場だったが、「バルサしかできないプレーがあった。無駄なボール回しがない」とレベルの違いを痛感した。それが新たなモチベーションにもなった。

 早くから将来を嘱望された逸材。G大阪ジュニアユース時代の同期のMF本田(CSKAモスクワ)も強烈なライバル意識を抱く存在。家長は「1試合1試合、前に進んで自分の資質を見せてやっていきたい」と前を向いた。日本代表のザッケローニ監督も近い将来の招集に向けてリストアップしているレフティーが輝きを増してきた。(バルセロナ・小田郁子通信員)

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2011年3月3日のニュース