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李 劇的ボレーで開いた「海外移籍の道」 (1/2ページ)

[ 2011年1月31日 06:00 ]

<日本・オーストラリア>延長後半、左足ボレーで決勝ゴールを決める李

アジア杯 決勝 日本1―0オーストラリア

(1月29日 カタール・ドーハ)
 日本に4度目の優勝をもたらしたのはFW李忠成(25=広島)だった。延長後半4分にDF長友佑都(24=チェゼーナ)の左クロスを左足ダイレクトでゴール。待望の国際Aマッチ初得点が値千金のV弾となった。在日韓国人4世として生まれ、07年2月に日本国籍を取得したストライカーは、劇的V弾をステップに今夏の海外移籍を目指す。

 左足から放たれたボールが豪快にゴール左上に突き刺さった。歓喜の瞬間は0―0の延長後半4分に訪れた。李が左サイドを突破した長友の左足クロスに反応。ニアサイドに入るフェイントを入れてファーに逃げると、集中力の切れた相手DFは混乱。ゴール前でフリーになり、利き足を思い切り振り抜いた。

 「最高です。ずっと試合に出られてなかったが、チャンスをつかめると信じて待ち続けた。ずっと俺がヒーローになると言い聞かせていた」。大会MVP候補に挙がっていたGKシュワルツァーが1歩も動けないスーパーゴールだった。延長前半8分からの途中出場で、値千金の国際Aマッチ初得点。1次リーグ初戦ヨルダン戦以来の出場機会を生かし、ザッケローニ監督から「何でもできる近代サッカーに適したFW」と絶賛された。

 海外志向は強く、ドイツなど複数クラブから獲得に興味を示されている。昨季Jリーグ終盤の12試合で11得点と量産したことで欧州市場での注目度は上がっていたが、欧州でも生中継されたアジア杯決勝でのV弾により、早ければ今夏にも正式オファーが届く可能性も出てきた。

 「時間がたつにつれて凄いことをしたという実感が湧いてきた。人生は紙一重。どフリーだったので外していた時のことを考えるとゾッとします」。日の丸への強いこだわりを持つストライカーが、W杯ブラジル大会へと突き進む。

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