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骨肉腫乗り越え…塚本、大宮と契約更新に笑顔

[ 2011年1月19日 06:00 ]

笑顔で取材に応じる大宮・塚本

 右太腿骨骨肉腫で昨季は治療に専念していた大宮のDF塚本泰史(25)が18日、選手契約を更新し、新チームの写真撮影に臨んだ。Jリーグの選手登録は先送りされたが、トップチームの練習に復帰することができれば登録される予定だ。まだ手術を受けた右足を引きずり、プレーすることはできない塚本だが、復活への第一歩を踏み出した。

 病を乗り越えて、塚本がNACK5スタジアムに戻ってきた。今季最初の練習の前に行われた写真撮影。選手契約を結んで新ユニホームを着た背番号「2」は、照れくさそうな笑顔を見せた。

 「ここに戻ってくるとは正直思っていなかった。うれしい気持ちと感謝の気持ちです。ユニホーム?こんなに似合わなかったのかなと思った。またユニホームが似合うようになりたい」

 09年のシーズン途中から右足の不調を感じ、昨年1月の精密検査で右大腿骨骨肉腫と診断され、3月に手術を受けた。チームの配慮で選手登録したまま抗がん剤治療を受けるなど闘病生活を続け12月下旬には完治。退院した塚本に、クラブは現状維持の年俸(推定850万円)で1年間の契約延長を提示した。ただ、手術明けで右膝周辺に人工骨と人工関節を埋め込み、「普通に歩けないし、階段の上り下りもしづらい。右足だけでは体重を支えられない」という状態で、今季の選手登録は見送られた。

 再び塚本が選手として登録されるためには、トップチームの練習に参加することが条件となる。今後は2、3カ月に1度の定期健診を受けながら、本格的なリハビリを開始するが、体重だけを見ても85キロと昨季開幕前の72キロから大幅に増えており、苦しい道のりとなるのは間違いない。「最終目標はピッチに立つこと。今の足の状況だとちょっと時間がかかるけど、1日も早く戻ってこられるように努力するだけです」。本当の復活を果たすまで、塚本の闘いは続く。

 ◆塚本 泰史(つかもと・たいし)1985年(昭60)7月4日、埼玉県川口市生まれの25歳。柏レイソルU―15から浦和東高、駒大と進み、08年には関東大学リーグのアシスト王となり、ベストイレブンにも選ばれた。08年に大宮に入団し、09年には右サイドバックのレギュラーに。21試合に出場して2得点を記録。利き足は右。1メートル77、85キロ。

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2011年1月19日のニュース