×

流経柏ピンチ!準決勝前に守備の要・増田が捻挫

[ 2011年1月8日 06:00 ]

<高校サッカー練習>練習中に右足を負傷した流経大柏の増田は痛そう

全国高校サッカー準決勝

(1月8日 東京・国立競技場)
 3大会ぶりの優勝を目指す流通経大柏(千葉)が大ピンチに陥った。全国高校サッカー選手権は8日、国立競技場で準決勝2試合が行われ、東日本で唯一4強に勝ち残った流通経大柏は久御山(京都)と対戦する。だが、前日練習でDF増田繁人主将(3年)が右足首を捻挫して離脱。新潟入りが決まっている守備の要抜きで決戦に臨む可能性が高くなった。

 都内のグラウンドを借りて練習していた流通経大柏に衝撃が走ったのは、全体練習に入る前のヘディング練習の時だった。

 空中で1対1で競り合った増田が着地に失敗。苦痛に顔をゆがめてピッチに倒れ込んだ。アイシングを施したが、右足を地面につくことすらままならない。本田裕一郎監督(63)も思わず「折れてるかもしれないね」と表情を曇らせた。

 増田はチームにとって欠かせない選手だ。センターバックとして体を張り、主将としてここまで全3試合にフル出場。卒業後のJ1新潟入りも決まっている。小学校時代は野球少年として鳴らし、小6の時には投手で3番打者として千葉県大会で準優勝した実績もある。「野球をやっていたからボールの落下点に入るのが早い」というのが1メートル89の長身を誇る増田の自慢でもあった。

 J1名古屋入りが内定しているMF吉田真紀人(3年)は「心配だけど、他の選手も準備はできていると思う。これまで通り、優勝を目指して頑張ります」と最大のピンチにも前を向いたが、その吉田も元日の練習中に左足小指を骨折しており、準決勝もベンチスタート。2日の2回戦・明徳義塾戦で左大腿骨を骨折し、6日に手術を受けたDF中西孝太(3年)は準決勝を車椅子で観戦予定だが、とにかくチーム内に大きな故障が続いている。

 増田は都内の病院で検査を受けた結果、幸いにも骨には異常がなかった。「出場させるかは当日の様子を見て」とした本田監督だが、仮に欠場となったとしても「他にも選手はいっぱいいる。むしろケガの功名かもしれないよ」と強気だ。FW大前(現清水)を擁した3年前も故障者や出場停止が続出しながら初の栄冠を勝ち獲った。「そろそろヒーローが出てくれないかな」。名将の願いがかなえば逆風の中でも決勝の舞台が見えてくる。

 ◇増田 繁人(ますだ・しげと)1992年(平4)6月11日、千葉県生まれの18歳。小学校時代は野球チームに所属し、中学校からFCクラッキス松戸でサッカーを始める。昨年12月に新潟入りが内定。好きな選手は横浜のDF中沢。1メートル89、75キロ。

 ▽流通経大柏の選手権成績 初出場の05年度は多々良学園に敗戦。07年度は久御山、北越、東福岡、津工、藤枝東を破って初優勝。今回は明徳義塾、前橋育英、山梨学院大付を破って4強入り

続きを表示

この記事のフォト

2011年1月8日のニュース