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Jが大分に6億円を融資…返済期限なし

[ 2009年11月18日 06:00 ]

深刻な表情で会見する大分の青野浩志取締役経営企画部長(右)と小沢正風総務部長

 Jリーグは17日に都内で理事会を開き、深刻な経営難で今季残り主催2試合の開催が危ぶまれている大分に対し、公式試合安定開催基金から計6億円を融資することを決めた。J1最終節(12月5日)までに必要な金額は3億5000万円だが、その後も人件費、施設使用料などばく大な諸経費の支払いが残っているため、来年1月31日までに2億5000万円を追加融資することになった。

 鬼武チェアマンが「経営破たんに近い状態。あってはならない経営が行われた」と話した通り、借金返済のために借金を重ねてきた大分の累積損失は約11億円、債務超過が約5億6000万円で、来年1月31日時点の借入金は約12億円に上る。開幕から低迷してJ2降格が決まった今季は入場料収入が約6000万円減り、スポンサー料の未払いなどもあって資金繰りがさらに悪化していた。

 大分からは現時点で来季の再建計画が提示されていない。それでもJリーグは同基金の残高約10億円の半分以上を貸し付け、返済期限も定めないという“大甘”の措置を決めた。「大分のようなクラブをJに残すべきなのか」と問われた鬼武チェアマンは地元政財界などからクラブ存続の希望があったことを明かし、「地域に根ざしてきたクラブをつぶすわけにはいかない」と説明した。

 来季以降はJリーグも管理を強め、鬼武チェアマンも「経営体制の刷新が必要となる」と強調した。だが、地方クラブの大分が6億円を返済できるかは疑問だ。経営難のクラブ続出の現状ではリーグの基金が底をつく可能性もあり、今回のケースはあしき前例になりかねない。

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2009年11月18日のニュース