海と環境シリーズ
内藤コーチ サーフィンから環境意識を
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Photo By スポニチ |
スポニチが海と環境のこと、真剣に考えてみました−。サッカーJ2・サガン鳥栖のコーチ兼サテライト監督を務める内藤就行さん(40)は、サーファーという別の顔を持っています。Jリーグ草創期を支えた名プレーヤーは今、指導者として、父親として、伝えたい思いを抱きました。「海と環境シリーズ」第14弾は、青と緑のフィールドを自在に行き交う“ポリバレント”へのインタビューです。(君島 圭介)
−初期Jリーグを語る上で、初代王者・鹿島アントラーズ抜きはありえない。神様ジーコ(元ブラジル代表MF、元日本代表監督)もプレーしたチームで、サポーターから厚い信頼を得た選手、それが内藤コーチだ。サイドバック、ボランチ、時に前線に飛び込むスタイルは、現代サッカーの「ポリバレント」(複数の役割を担う選手)そのものだ。サーフィンとの出合いは、その鹿島時代(92〜99年)だった。
知り合いがやっていたので、たまたま始めました。僕も海から5分くらいのところに住んでいたので、すぐハマりました。当時、鹿島の選手はオフを利用してプレーに支障がない程度に何人かやっていたけど、真冬でもバリバリやってたのは、僕と秋田(豊=元日本代表DF、現京都サンガF・Cコーチ)くらい。
−抜群の運動能力とアスリート特有の負けん気の強さで、この新しいスポーツにすぐ溶け込んだ。サーフィンはサッカーの次に長い付き合いとなった。
サーフボード(ロングボード)は2本。1本はオーダーで作りました。家族の理解のもとに趣味でやらせてもらっています。サーフィンがあるから仕事に打ち込める。
−沖に出て、ゆっくり波を待っている間は、最高にリラックスできる時間だ。選手の時は違う筋肉を使うことで気分転換にもなっていたが、今は海の上から色々なことを考えるという。
サーフィンを始めて、友達も増えた。サッカー以外のつながりもできました。刺激を受けることは多いです。サーファーは、見た目はチャラチャラしていても、砂浜のゴミを拾ったり、地域に貢献しようとしている。しっかりした考えも持っている。学べることは多かった。
−自然と共存するスポーツと接し、環境への意識も高まった。
今のガソリン問題にしても、地球温暖化にしても、世界全体の大きなことに対しては何もできない。ただ、ゴミの分別とか“マイ箸”を持つこととか、身の回りでできることはしっかりやりたい。子供が大きくなったとき、今の環境を残しておいてあげたい。
−今年4歳になる長男の存在が、責任感を強くする。
僕は小さいときに父を亡くしました。だから息子には何かを伝えたい。スタジアムにも、海にも積極的に連れていきます。サッカーだけでなく、砂浜でゴミを拾うとか、そういう父親の姿を見せたい。
−鹿島からFC東京(00〜02年)、福岡(01〜02年)、鹿児島(03)を経て、現在はコーチとして鳥栖のJ1昇格を狙う。指導者として若い選手に伝えたいこともまた、父親として伝えたいことと重なる。
自分が現役の頃は、サッカーでいっぱいいっぱい。今の選手には人と人の関係を大事にしろ、と言っています。環境にしても、Jリーグは芝のグラウンドを増やそうとか、サーファーの主張と共通する部分がある。サーファーの人たちは意識は高いけど、一般の人に認知されにくい。サッカーや野球は注目されるチャンスはあるわけだから「サッカーだけ」じゃダメ。色んなことを発言できることが大事。そういうことをしっかり伝えたいんです。
≪「息詰まったとき、海があるといい」≫サッカーとサーフィンの比重を聞くと、内藤コーチは「100%サッカーです。チームを勝たせることが最優先」と即答した。その思いは現役時代より強いのかもしれない。身近で見ている岸野靖之監督(49)の影響が大きい。「人の上に立つには24時間必要。岸野さんを尊敬してます。24時間、勝つためにサッカーのことを考えている方だから」。指導者として目指すものはそこにあるが、内藤さんは「息詰まったとき、海があるといいですね」と笑顔を見せた。
≪マイ箸への取り組み≫内藤コーチの環境意識は、ベストアメニティ株式会社の内田広社長との親交により更に高まった。サガン鳥栖の本拠地スタジアム「ベストアメニティスタジアム(通称ベアスタ)」のネーミングライツなどを通してチームを支援する企業だ。内田社長が提唱するマイ箸普及活動「くらぶmy箸」に、鳥栖も参加。チーム全員がマイ箸を持ち歩いている。
同社は無農薬、有機栽培の食品会社ではあるが、環境問題を扱う映画「KIZUKI」に全面賛同。今年7月に開催される北海道洞爺湖サミットに合わせ、現地で記念上映会も行われる。この映画には、マイ箸で食事をする鳥栖イレブンの姿も登場する。健全で理想の高い企業の支援を受けることが、チーム躍進の確かな原動力になっている。
◆内藤 就行(ないとう・なるゆき)1967(昭42)年11月9日、奈良市出身の40歳。大淀高―中京大―本多技研。右サイドバック、ボランチ、攻撃的MFなどで鹿島の黄金期を支えた。04年から鳥栖のU―18監督、05年からトップチームコーチ、現在はコーチ兼サテライト監督を務める。J1通算196試合出場4得点。J2通算27試合出場1得点。1メートル78・72キロ。O型。家族は夫人と長男。
[ 2008年05月30日 12:40]


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