スポニチ大阪

フジオフードシステムが「くいだおれ」丸ごと購入か

7月に閉店する大阪・道頓堀の食堂「大阪名物くいだおれ」

◆ 人形のほか「店もスタッフも面倒みる」社長熱弁 ◆

 7月8日に閉店が決まっている大阪・道頓堀の食堂「大阪名物くいだおれ」の買い取りに名乗りを挙げている(株)フジオフードシステム(本社・大阪市)の藤尾正弘社長(53)が15日、スポニチの単独取材に応じた。買い取り実現の場合、人形だけでなく店も従業員もすべて現状のまま残す考えを明言。「ぜひ、ボクに取り組ませていただきたい」と熱く語った。

◆ 譲渡先はまだ白紙の状態 ◆

 藤尾社長は買い取りが実現すれば、店舗や人形はそのまま残す考えを明かした。

 「店名もスタッフもすべてそのままと考えている。店がなくなって人形だけでは太郎が寂しい思いをするでしょう」

 自らの考えやプランは先月30日の会談で、くいだおれ側の柿木道子会長(67)や山田昌平社長(71)ら経営陣に伝えた。金額は話題に上らなかったが、山田社長は「ただ人形として飾っておくだけでは困る」と譲渡先の条件として太郎の有効活用を挙げているだけに、丸ごと存続してもらえるなら理想的かもしれない。藤尾社長も「いい反応をいただいたのではないか」と手応えをにじませた。

 フジオフードシステムは地名を入れた「−食堂」で知られる「まいどおおきに食堂」チェーンや「神楽食堂串家物語」など全国780店舗を構えるが、くいだおれに対する思いはどのライバルにも負けないくらい強い。大阪・天満で食堂を経営する両親の元で育ち、飲食一筋で歩んできた藤尾社長だからこそこだわりがある。

 「先代の社長(故山田六郎氏)はくいだおれ太郎に商人としての心を入れたと思う。そのことを理解していない人がお金で買って未来永劫(えいごう)続くのか疑問を持っている。食をどれだけ語れるかという人が取り組まないといけない」

 同社には100とも200ともいわれる買い取りのオファーが殺到しているが、「通天閣観光」や故山田六郎氏の出身地・兵庫県香美町など飲食業界以外への“転職”は納得がいかない様子だ。

 「小さいころにオヤジに道頓堀に連れていってもらい、夜の真っ黒な空の色とネオンの華やかさを今でも覚えている。くいだおれには夢があって華があった」。幼いころから身近だったからこそ思い入れは十分だ。

 閉店まで残りは2カ月弱。くいだおれは譲渡先の選定について、15日現在、「白紙状態」としている。

 【フジオフードシステム】1999年、フランチャイズシステムによる飲食店の全国展開を目的として設立。チェーンは「手作り居酒屋かっぽうぎ」「火の音水の音」など、大衆食にこだわったもの。従業員434人。平成19年度の売上は225億4316万円。ちなみにくいだおれの同年度売上は7億1000万円。

[ 2008年5月16日付 ]

ニュース一覧

大阪企画特集
スペシャルコンテンツ

このページの先頭に戻る ▲