
彩吹真央のサヨナラ公演「ソルフェリーノの夜明け」大劇場で開幕
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「ソルフェリーノの夜明け」プロローグの水夏希と愛原実花(手前)(C)宝塚歌劇団 |
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「ソルフェリーノ−」は、赤十字思想誕生150年を記念、赤十字を創設したスイス人実業家アンリー・デュナンの生涯をミュージカル化した作品。オープニングは白い花のブーケが舞台いっぱいに広がるなか花の紳士(彩吹)を中心に花の精たちの華やかな大合唱。白い花が割れると花の紳士S(水夏希)が登場。花の淑女S(愛原実花)とともに歌い踊る。いきなりフィナーレのような華やかなパレードがあってやおらストーリーが始まる。ストーリーが重い分、プロローグの明るさがまばゆい。
一転、1859年のイタリア軍の会議の場面へ。師団長マンフレッド(未来優希)と参謀長ポルリノ(音月桂)らが、オーストリアの圧政に反旗を翻したイタリア、フランス連合軍が破竹の勢いで勝利を収め、ソルフェリーノの攻防が最後の戦いとなっていることを説明する。
悲惨な戦場となったソルフェリーノではデュナン(水)が目の前の光景に衝撃を受け、負傷者の一人を野戦病院となっている近くの教会に連れて行くが、負傷者がオーストリア兵だったことから手当を断られる。そこからデュナンのもうひとつの戦いが始まる。
オーストリア人兵士に両親を虐殺された看護婦アンリエット(愛原)、彼女に秘かに思いを寄せながら戦場で医療ボランティアをするエクトール(彩吹)らが話にからむ。
傷病兵に敵味方はないというデュナンの信念はすべての人の心を動かし、感動のラストを迎える。
デュナンがなぜこれほどまでの人道主義にめざめたのかというあたりの説明がないのがやや弱いが、植田氏のストレートな作劇と水の圧倒的な熱演で最後まで見せきった。
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ほかに愛原、音月、未来と専科の汝鳥伶、未沙のえるをのぞくとあまり大きな役はないが、なかで少年兵ポポリーノに扮した真那春人が抜擢にこたえ、さわやかな風を吹き込んだ。
一方、ショーは、ヴェネチアのカーニバルを題材にした稲葉氏の大劇場デビュー作。ヴェネチアのカーニバルは小池修一郎氏と荻田浩一氏が以前扱ったことがあるが、今回は最初から最後まですべてというところがミソ。「ノバ・ボサノバ」のヴェネチア版といったところ。
早霧せいな、沙央くらまら大道芸人の一団が登場、これからひととき楽しい舞台をみせましょうと歌ってオープニング。夜明けの運河、ゴンドリエーレ(彩吹)が、カーニバルの幕開けを告げ、カーニバルが終わるまでの10日間を時には幻想的に、時にはカラフルに華やかに展開していく。
転換がなくすべての場面が繋がっているのも荻田風。そういえば一場面一場面のこだわり感覚や音楽の使い方もなんとなく荻田氏のテースト。音楽はオリジナル曲をベースに「24000回のキス」などのカンツオーネやビバルディ、プッチーニなどのクラシック音楽を散りばめている。
水は芝居とは打って変わってのびのびとした歌とダンスで本領発揮。フィナーレ前にはわっかのドレスという仰天の女装があるが、せっかくドレスを着たのだから舞台中央まで出てきてほしかった。これではあまり意味がなかった。とはいえ、魅力全開。愛原とのデュエットダンスも魅せた。
彩吹は、ショーでもソロや水とのデュエットなどサヨナラ公演とあって大活躍。水とほぼ対等の出番。終曲では祭りのあととサヨナラを意識した歌詞もあってファンの紅涙を誘いそうだ。
音月は、迷宮の結婚式の新郎役のさわやか感から妖しい悪魔まで幅広いレンジに挑戦、新境地開拓といった趣。未来優希、大月さゆといった退団組の見せ場も用意してあって、雪組メンバーそれぞれの個性を知り尽くした座付き作者ならではの配置も好ましい。
遊びがないのがちとしんどいが、全体的にクラシカルな気品があるのがいい。稲葉氏の次回作にも期待したい。
さて、来週は13日更新で月組バウ公演の模様をお届けします。お楽しみに。





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