
霧矢大夢、ルドルフを熱演 月組公演「ゼンダ城の虜」新人公演
入団7年目、月組期待の男役ホープ、霧矢大夢の最後の新人公演主演となった「ゼンダ城の虜」が、17日、宝塚大劇場に超満員のファンを集めて行われた。 東京公演のない公演とあって、ふだんより格段にファンの数が多く、ロビーにキャンセル待ちの人だかりができるほどの人気。霧矢への期待の大きさがうかがえる熱気となった。 舞台はそんな期待をはるかに上回る素晴らしさで、満員のファンを魅了した。「ゼンダ城−」は、ヨーロッパの小国を舞台に、国王そっくりの英国貴族ルドルフが、誘拐された国王の替え玉となって、お国の一大事を救うという冒険活劇。本公演は真琴つばさのプレサヨナラ公演で、真琴が英国貴族ルドルフを独特のユーモアのセンスをまじえて楽しそうに演じ、連日客席をわかせているが、霧矢はこれを正統派の二枚目として演じ、新人公演とは思えないレベルの高い演技を披露した。 冒頭の戴冠式の場面はやや緊張ぎみにみえたが、続く銀橋のソロでは、そのはっきりした口跡と高く伸びやかに伸びる堂々たる歌唱力で、一気に観客の心をつかんだ。適度のユーモアも冴えて、最後の新人公演主演にふさわしい有終の美を飾った。 一方、敵役のヘンツオ伯爵を演じた大和悠河も、黒髪に黒の口紅と初めての悪役を黒で統一して、意欲的に挑戦。それがこれまでの大和になかった新たな魅力を生み出し、これまた鮮やかな変身ぶり。歌唱力の上達ぶりも特筆ものだった。 ヒロインのフラビア姫に扮した西條三恵も、これまでの大人っぽい役とうってかわったお姫様をキュートに演じて、新境地を開いた。 と、主演3人の好演にあいまって、サプトのあゆら華央とミカエル大公の遼河はるひの2人の好助演も、舞台に厚みをもたせ、近来まれにみる好舞台となった。 終演後、霧矢は「21世紀の宝塚を担えるよう頑張りたい」と舞台上からあいさつして満場から温かい拍手を浴びていたが、この日の成果を見ると、それが実現するのもそう遠い日ではないと確信させられた。(薮下 哲司) 《一口メモ》 雪組の人気スター、成瀬こうきのディナーショー「Blue Blood」が、11月21、22日、宝塚ホテル、12月8、9日、第一ホテル東京で開かれる。共演は紺野まひるら4人。チケット(2万円)。宝塚は発売中、東京は11月13日から発売される。 |
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| ● 薮下 哲司(やぶした・てつじ) ● 大阪府生まれ。関西大学文学部仏文科卒。71年スポーツニッポン新聞大阪本社入社。77年文化部に配属、放送、音楽などを担当後、現在、特別委員として映画、演劇を担当している。宝塚歌劇は80年から担当、劇団発行の「宝塚グラフ」バウ公演評「歌劇」新人公演評を歴任。著書に「宝塚の誘惑」(共著)「宝塚伝説」「宝塚伝説2001」「宝塚歌劇支局」(青弓社刊)がある。05年、毎日文化センター(大阪)で「タカラヅカの魅力」講座を開設、07年から甲南女子大学非常勤講師に、宝塚講座を持っている。 |



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