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西南大硬式野球部

 【“意識改革”で逆襲 今春5位終戦で東監督「朝練」提案】

 九州全域、山口の大学、高校の部活動に焦点をあてるスポニチキャンパス。今回は九州六大学野球連盟に所属する西南大硬式野球部を取り上げる。秋季リーグ戦を奮闘中。今年のスローガン「個を磨け、個を活かせ、個で勝負~全個一如~」を掲げ、それぞれがレベルアップを図りながら、5年連続の秋季Aクラス入り、九州大学野球選手権の決勝トーナメント出場を目指す。

5年連続秋季Aクラス入りへ正念場だ!笑顔でガッツポーズをする西南大ナイン

 分かりやすい言葉で“意識改革”を呼びかけた。今春リーグ戦は5位に終わった。しかも最終戦は北九大にサヨナラ負け。悔しがるナインに東和樹監督は「朝練しよう!」と秋の逆襲構想を語った。監督5年目にして初めての決断だった。

 5年連続のAクラス入りへ。今春最終戦の翌日、5月23日早朝から西新グラウンドで猛練習が始まった。野手はグラウンド内で一日1000スイングを夏場まで2カ月間こなした。主将の庄島秀忠捕手(4年)ら上級生が模範となり、後輩たちも食らいついた。

 体づくりを有効に進めるため、チームによる体重管理を今年2月から実施している。若松広起学生コーチ(4年)の発案だ。「みんな“線が細いな”と思っていた。自分は高校時代に増量して体の力がついた経験がある」。監督、トレーナーに効用を説き、体のボリュームアップをチームの重要課題とした。練習前の測定で目標に100グラムでも足りなければ、ノックなど通常メニューに参加できない。ひたすらポール間走を続ける罰則を設けた。「今は全員がクリアします。平均で5キロは増えた。夏場も、みんな自己管理できていた」と同学生コーチは意識の変化を喜ぶ。

意識改革を行った東監督(中央)と選手たちに刺激を与える川口コーチ(右)

 体重増加の成果はすぐに出た。高校時代に68キロで、現在の設定体重80キロの田中嘉人外野手(3年)は「打席で粘れる」と夏場のオープン戦から好調。秋季リーグの開幕2週を終えて打率・384と上々の滑りだし。昨年まで77キロで、設定体重82キロの水本大志外野手(2年)も「打球が飛ぶようになった」と話す。春季リーグで打率・362、2本塁打、8打点と打撃3部門のチームトップの数字を残し、初めてリーグのベストナインに輝いた有望株がさらにパワーアップしている。

 元プロの目から見ても理にかなった強化策だった。プロ野球の近鉄、楽天で活躍した14年間プレーし、15年の春から西南大で指導する川口憲史打撃コーチが証言する。「夏に痩せない人がプロでも活躍する。体重をキープできているのはいいこと。今の僕たちは増えますけどね(苦笑い)」。選手から「川口さん」と慕われる元プロの存在は選手たちに大きな刺激を与えている。「野球はメンタルと教わった。打席での考え方とか、技術より、その部分が大きい」と田中。庄島も「アップのときにもリラックスさせてくれる。明るい方です」と話す。

(左から)打撃好調の田中、春にベストナインを獲得した水本、チームを引っ張る主将・庄島

 全国の強豪に比べれば決して恵まれた環境ではない。スポーツ推薦枠がなく、いわゆる“野球エリート”は不在。メイングラウンドの田尻グリーンフィールドは準硬式と併用で週4回しか使えない。潤沢とは言えない部の活動費を補うためアルバイトにも励まなければならない。そんな環境で指揮官が目指すのは日本一、誇れるチームづくりだ。「自分たちのチームが最高と思ってもらえるように」。毎日、2~3選手と個別面談し、コミュニケーションを図る。試合中は一切反省しない「超攻撃型」スタイルで、元気いっぱいに相手に立ち向かう。

 秋季リーグは終盤に突入。昨年は九州大学野球選手権の3回戦で日経大に敗れ、決勝トーナメント出場を逃した。「“5年連続の3位以上”をずっと言い続けてきた。ここからが勝負」と庄島主将は意気込んだ。

【期待の星・広沢 品行方正を意識】

ブルペンで投球練習する広沢

 右腕の広沢(2年)は開幕2週目の九大戦で5回1失点、リーグ戦初勝利を飾った期待の星だ。開幕の九国大戦は延長12回まで完投しながら3失点でサヨナラ負け。「九国大の高椋投手と投げ合えたのは成長につながるかなと思う」と手応えをつかんだ。全国大会を目指す野球部の一員として、日常生活から“品行方正”を意識。「勝ちにつながる投球をしていきたい」と野球にも真面目に取り組む。

 ≪伝統の“西福戦”、盛り上がり必至≫23、24日は九州六大学伝統の一戦、福岡大との“西福戦”(桧原)が控える。ここ2年間、春秋の対戦成績は6勝2敗と勝ち越している。24日は両校の応援合戦も予定されており、盛り上がりは必至だ。田中が「やりやすいイメージの方が強い」と言えば、昨春の西福戦でサヨナラ3ランを放った庄島も「気合の入り方が違う」と燃えていた。

【チームを裏で支えるマネジャーも思いは一緒】

マネジャーの中村春希さん(左)と藤本彩里さん

 部員を支えるのは美人マネジャー4人衆だ。チームの主な移動手段であるバスの手配、練習試合の日程調整、球場使用の管理、ブログの更新など多岐にわたる仕事内容を分担している。

 「選手が率先して手伝ってくれます」と感謝するのは中村春希さん(3年)だ。小、中、高校と9年間バレーボール部で汗を流した。「何かしないと変な感じがすると思った。元々野球は好きだった」とマネジャーを選んだ。藤本彩里(あやり)さん(2年)は「将来は野球に携わる仕事がしたいので、つながると思った」と入部。プロ野球・日本ハムの中島卓也のファン。ヤフオクドームで試合がある際は「ユニホームをばっちり着て、手作りのボードを掲げたりします」と笑う筋金入りだ。

 試合中は中村さんが球場アナウンス、藤本さんは入場チケットの販売などを任され、チームを応援できる機会はめったにない。それでも選手を思う気持ちは強い。「試合で活躍してくれると、めちゃめちゃうれしい」と口をそろえた。

【設備充実の新図書館】

西南大の新図書館(C)photo・harigane yousuke

 西南大は今年4月に新たな顔として「知の拠点」となる新図書館をオープンした。館内は大きく2つのゾーンに分かれ、1~3階はグループ学習室など活発に議論できるゾーン、4~6階は静寂を保ち学習に集中できるゾーンだ。

 学生の要望で新しい機能も生まれた。1階にカフェ、3~6階の各階に飲食スペースが誕生。ラーニングサポート(学習支援)デスクを設置し、リポート作成やプレゼンテーションの支援など大学院生や学部の3、4年生に相談できる。また、ノートパソコンやタブレット端末を館内で貸し出す。

 さらに約80万冊を収蔵可能な自動書庫、国連寄託図書館などで構成される国際機関資料室を設置するほか、19世紀後半に英国で制作されたステンドグラスを含むアート作品が展示されている。

 大学の授業はアクティブラーニング(能動的学習)へ転換が進んでいる。思考、対話する力を高め「知識を活用できる人材」の育成を目指し、新図書館ではさまざまな設備機器を配置している。

 ▽西南学院大 福岡市早良区西新6丁目にある私立大学。略称は西南大、西南。1916年(大5)創立。文学部、経済学部など7学部を専攻できる。主なOBはプロ野球選手の門田富昭(元大洋)、蓬莱昭彦(元西武、中日)、井上公造(芸能リポーター)ら。

[ 2017年9月21日 ]

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