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日経大新設バドミントン部

 【1年生のみ10人がスマッシュ 代表コーチ経験者とラリー】

 九州からバドミントン界に旋風を巻き起こす!その気概を持つ若者が集まった。九州各県や山口の大学、高校の部活や注目選手を応援するスポニチキャンパス。今回は日本経済大福岡キャンパスが今春新設したバドミントン部だ。日本代表でも指導経験を持つ蘭和真(あららぎ・かずま)監督(56)を迎え、部員は1年生10人という体制で出発した。千里の道も一歩から。まずは九州制覇が目標となる。

蘭監督(中央)と初代メンバーの1年生10人

 “学問の神様”菅原道真公をまつる太宰府天満宮。福岡県太宰府市にあるパワースポットは修学旅行や海外からの観光客でも、にぎわう。国内有数の名所からも近い同市五条の日経大にバドミントン部が新設された。

 指揮を執るのは福岡市出身の蘭和真監督。昨春から日経大に籍を置き、1年間かけて準備に奔走した。九州や山口の高校100校を回り、指導方針などを説明。気概あふれる初代メンバーを募った。呼びかけに応じた新入生10人は今年3月26日に入寮。蘭監督は夫人と1男2女を岐阜に残しての単身赴任。学生と一緒に寮生活で競技に励む。「親御さんから好評なんですよ。何しろ“24時間監視体制”ですから」と冗談交じりに明かす。競技で強くなることだけを追い求めない。「バドミントンは一生できるスポーツ。強いだけじゃなくて、社会の役に立つ人間になってほしいし、幸せになってほしい」。自らも大学生の子供を持つ父親だけに、子を託す親の心情も理解できる。普段の生活から交流を深め、見守っている。

身ぶり手ぶりを交え、熱心に指導する蘭監督

 競技指導では個性を大事にする。「“型に、はまるな!”ということです。イチローにはイチローの、落合には落合の打ち方がある」。プロ野球の名選手を例に挙げ、高校まで“基本”として教え込まれた動作を墨守する必要はない、という考えだ。「ルールブックにラケットの振り方、体の使い方は書いていない。個人個人で体格は違う。変則的でも結果が出れば、それでOK」。東海女子大では監督や部長として33年間にわたる指導歴を持つ。そこでの教え子からアトランタ五輪に宮村愛子、シドニー五輪に井田貴子が出場した。豊富な経験に基づく言葉には説得力があった。

“千本ノック”のように打ち込まれるシャトルを必死で返す

 バドミントンの運動強度、身体への負担はマラソン以上だという。早大在学中の懐かしい思い出がある。のちにロサンゼルス五輪陸上男子1万メートル代表となる金井豊さんが同期で、バドミントン部の練習に飛び入り参加したものの「10分もたなかった」。その後、蘭監督は00年1月に岐阜大大学院医学研究科で博士号を取得した。論文テーマは「競技バドミントンの生体負荷に関する生理学的研究」。安全に競技するために“どこまで追い込んでいいのか”を追究した。得点後に次のサーブまでインターバルを挟む間欠運動のバドミントンは、一定の負荷がかかり続けるマラソンより運動強度が高い、というデータが出たという。研究成果はもちろん練習に応用した。2人1組で30秒間はシャトルを打ち続け、30秒間は休む。これを45分間続ければ1試合分に相当するという。実戦を想定したメニューで技術、体力を同時に磨く。

中心戦力として期待される佐藤敬太と新田琴乃

 現在56歳、蘭監督の競技歴はもうすぐ半世紀に及ぶ。心臓の病気のため草ヶ江小学校低学年では体育の授業も見学が多かった。高学年になる頃には、治療方針が変わり、症状改善のために運動を奨励された。当時住んでいた地域の運動クラブにはラグビー、バドミントンの2つがあった。「本当はラグビーをやりたかった。でも母(ケイ子さん)が心配したのか、申込書はバドミントンに書き換えられていたんです」。それがこの競技との長い付き合いの始まり。城西中では掛け持ちしたバレーボール部で主将を務めて県大会出場。バドミントンでは全国大会に出場した。城南高では高校総体シングルス8強、早大では3年時に全日本学生選手権シングルス優勝の実績を残した。あの時、もしラグビーを選んでいれば「どうなってたんでしょうね」。96年10月に59歳で他界した母ケイ子さんに「感謝しています」と笑う。

 当面の目標は九州制覇だ。1年生だけ10人で臨む最初のシーズンは、6月の九州学生選手権に照準を合わせる。「(母校の)早大より練習はハードですから」。千里の道も一歩から。力強く第一歩を踏み出したい。

【男子・佐藤「初代メンバーの責任」】

ジャンプしてスマッシュを打つ佐藤

 ≪「凄い先生」と新たな歴史つくる≫男子の有望株は佐藤敬太(1年=経済学部)だ。バドミントン部1期生として“自分たちが歴史をつくる”という意欲に燃えている。「先輩も後輩もいないから雑用はみんなで分担し、練習に集中できる。初代メンバーの責任も感じる」。現在は1年生だけ。いわゆる体育会系の上下関係は存在しようがない。少数精鋭で技術、体力の向上に励んでいる。

 大分市出身で明治小3年から競技を始めた。坂ノ市中3年で九州大会出場。東明高では国体の九州予選に出場。悔いを残したのは高3の総体シングルス県大会4回戦だ。「普通に勝てる」と思っていた相手に逆転負け。1セット先取しながら、2セット目で相手に有利な判定に不服を抱き「イライラして試合どころではなかった」。

 オープンキャンパスで訪れた日経大の環境を気に入り「凄い先生に教えてもらえる」と進学を決めた。蘭監督から「身体能力が高く、スピードがある。高校総体などの実績はなくても、これから伸びそう」と期待をかけられる。本人は「体力はあるからラリーをつなげて粘るタイプ」との認識。今後の取り組み次第で大きな飛躍もあり得る。

【女子・新田 リオ金タカマツに憧れ】

きつい練習も笑顔でこなす新田

 ≪サッカー天皇杯出場の兄に負けじ≫2人いる女子からは新田琴乃(1年=経営学部)に登場を願った。この競技の魅力は「相手との駆け引き。身体能力や技術だけでは勝敗が決まらない」と話す。女子ダブルスでリオデジャネイロ五輪金メダル獲得の高橋礼華、松友美佐紀ペアに憧れを抱く。「前衛のタッチが速いし、相手を見て動かしている。先読みが凄い」。自身も蘭監督から「瞬発的なパワーを出せる。パートナー次第で全国でも上位にいける」とダブルスプレーヤーとして期待される。

 山口県柳井市出身で柳東小2年から競技を始めた。柳井中3年でダブルス全国3位、柳井商工でも総体や国体など全国を舞台に戦った。「1期生として新たな歴史をつくれるのが新鮮」と日経大を選んだ。「練習はきついけど、このメンバーでインカレ(全日本学生選手権)に出たい」と精進している。“全国”へのこだわりには、もう一つ理由がある。サッカーに励む兄・己裕さん(24)が所属する、いわきFCは天皇杯に福島県代表として出場した。「自分も負けていられない」と兄にも刺激を受けている。

 ▽日本経済大 経済、経営系専門の私立単科大学。68年に第一経済大として設立。07年に福岡経済大、10年には日本経済大に改称し、東京の渋谷、神戸市の三宮にもキャンパスを開設。国際交流にも力を入れ、オックスフォード大、ケンブリッジ大などと提携。海外からの留学生も多い。福岡キャンパスの所在地は福岡県太宰府市五条3の11の25。

[ 2017年4月27日 ]

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