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履正社医療スポーツ専門学校

 【「野球」でメシを食う。野球コース3年目・木村、初のプロ誕生】

 野球を通じて、社会に通用する幅広い人材を育成する。それが履正社医療スポーツ専門学校野球コースの理念だ。社会人、プロ野球を目指すものもいれば、トレーナー、理学療法士、あるいは、まだまだ知名度の低い国際公式記録員を志すものもいる。それぞれの道へ向かって、ひた向きにまい進する姿を追った。

スポーツで社会に貢献する履正社医療スポーツ専門学校野球コース

 一度はあきらめかけた夢の扉を、自らの手でこじ開けた。野球コースに在籍する木村敏靖は昨秋ドラフト会議で、楽天から育成4位指名を受けた。

 「指名がかかった瞬間は夢かと思いました」

 御所実(奈良)時代から投手兼外野手として注目を集めたが、ドラフト指名されるまでには至らなかった。「もう、野球は辞めよう」。一般企業への就職を考えていたころ、森岡正晃野球コースGM兼監督から誘いを受けた。

 「監督さんをはじめとする首脳陣の方々に様々な技術を教わっただけでなく、楽しく野球をやらせていただきました」

 周囲のサポート、何より木村自身の強い意志が潜在能力を開花させた。奈良県葛城市の自宅から通学には片道2時間半を要するが、入学からここまで無遅刻無欠席。午前5時起床を続け、野球と向き合った。同時に、野球コースのカリキュラムにあるトレーニング理論、スポーツ栄養学などの講義を通じて知識も習得。2年生だった一昨年10月に投手の練習を再開すると、高校時代に140キロ前後だった球速は152キロを計測するほどに進化していた。木村は秘めたる思いを打ち明ける。

 「履正社医療スポーツ専門学校にとっては初めてのプロ野球選手。背負うものがある。“やっぱり、あいつは専門の学生やな”と思われるのは絶対に嫌なので、同期入団、同世代には負けたくありません」

(左)楽天に育成指名された木村敏靖は(右)理学療法士を目指す大山陽介からケアを受ける

 木村のように選手として、より高いステージへ進むものもいれば、裏方として選手を支えようとするものもいる。理学療法学科2年の大山陽介は理学療法士を目指し勉学に励む。

 「高校時代、肘を痛めたときに理学療法士の方に治療していただきました。野球、スポーツの現場で働ける人は数少ないですが、理学療法士としてなら選手の経験も生かせると思います」  徳之島(鹿児島)では投手兼遊撃手として活躍し、同校入学後も1年間は選手としてプレーした。「入学前から医療に興味がありました」。一昨年の春からは裏方に回り、チームをバックアップ。午前中はグラウンドでトレーナー業務、午後からは基礎医学、解剖学、生理学などを学ぶ。午後9時40分までの授業との両立は簡単ではないが、飽くなき向上心が大山を支える。

 「将来は地域貢献できるよう頑張りたい」

 スペシャリストとして社会に羽ばたくべく、同校ならではの充実した学生生活を送っている。

(左)投球指導をする森岡正晃監督(右)アドバイザーの亀山努氏

 ≪「長所伸ばす指導」で森岡GM兼監督大輪≫指導10年で大輪を咲かせた。初のプロ野球選手誕生には野球コースの森岡正晃GM兼監督の存在は欠かせない。現役時はPL学園で主将を務め、近大に進学。卒業後は大阪桐蔭で野球部部長を務めて日本一を経験し、同校のラグビー部部長としては花園にも出場した。野球界だけにとどまらず、選手を育ててきた。

 指導者として大切にしているのが「長所を最大限に伸ばす」こと。「木村の運動能力、素材はピカイチ。他の部員も“オレも頑張ったら、いける”という目標を持ってもらいたい」と話す。

 充実のスタッフ陣も見逃せない。アドバイザリースタッフとして元阪神の亀山努氏(本紙評論家)が在籍。元阪神の岩田徹アドバイザーコーチらも控える。腕を磨くには絶好の環境が整っている。

 ▽履正社医療スポーツ専門学校 前身は1970年(昭45)開校の十三経理専門学校。2008年(平20)に現在の名称に。十三・茨木・箕面の3キャンパス。スポーツ学科、鍼灸学科、柔道整復学科、理学療法学科の4学科で、スポーツ学科は野球コースほかサッカー、テニスなどの9コースがある。

【マドンナ図鑑 野球コース2年 野球部マネジャー・松本奈都美さんさん】

野球部マネジャーを務める松本奈都美さん

 野球コース2年に在学中で野球部マネジャーを務める松本奈都美さんは、国際公式記録員を目指している。

 「ヒット、エラーを瞬時に判断し、独自に決定できる権限があります。それほど重要な仕事で、とてもやりがいがあります」。野球というスポーツにおいて公式記録員は欠かせない存在でありながら、人材不足にあえでいる現実がある。同校は国際公式記録員の養成校として、一般財団法人全日本野球協会(BFJ)から認定、推薦される全国では唯一の専門学校。松本さんは昨夏のU―15W杯で国際公式記録員を務めるなど、着実にキャリアを積んでいる。

 今春からは兵庫県警の一員となるが、「夢は東京オリンピックで公式記録員として活躍することです」。各国から記録員が派遣されてくるため、コミュニケーションは全て英語。松本さんは語学力の向上にも励みながら、その時を待つ。

【魅惑の学食 学生の心と体を満たす寮母さんの「一汁三菜」】

 野球コースの学生は良い栄養、良い休息を取ることも重要で、食事付き学生寮タイプのマンションで暮らす学生も多い。民間の共立メンテナンスが運営する寮(大阪府茨木市)の食事は一汁三菜を基本に栄養バランスに優れたものばかり。寮母が丹精込めて作った出来立てのあたたかい料理は胃袋だけでなく、心も満たす重要な役割を果たしている。「寮母さんも優しくて寮に帰ってくるとほっとします」と学生たちは声をそろえる。

[ 2017年1月10日 ]

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