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大阪成蹊大学女子陸上競技部

 【インカレ初の総合V 中心は東京五輪の星、青山が4冠】

 大阪成蹊大学女子陸上競技部が新たな歴史をつくった。9月の日本学生陸上競技対校選手権大会(全日本インカレ)で見事に初の総合優勝を飾った。日本陸連の女子統括部長でリオデジャネイロ五輪の女子短距離陣を指導した瀧谷賢司監督の下、日本選手権400メートルで優勝した青山聖佳(マネジメント学部2年)ら2020年東京五輪へ向け、期待の若手たちに迫った。

インカレ初優勝を果たした大阪成蹊大学女子陸上競技部

 やっと手にしたタイトルも通過点にしかすぎない。インカレの総合で初優勝した大阪成蹊大学女子陸上競技部。総合優勝への原動力となったのはリオデジャネイロ五輪を狙っていた青山だ。200メートルでは24秒06、400メートルでは52秒85で優勝。さらに400メートルリレーでは45秒08、1600メートルリレーでも3分40秒24で4冠を達成した。400メートルは2年ぶりに自己ベストを更新。主力として結果を残した。

 主将の末永成美が走り幅跳びを制して、5種目で優勝し、筑波大を抑えて総合優勝。4冠の青山は「きちんとやってきたことを出せたし、自分にできることをしっかりやって優勝することでチームの総合優勝に貢献できた」と自分のレースをすることがチームの勝利と信じてやってきたことが間違いではなかったことに笑顔で話した。

 インカレ制覇前はさらに高い目標があった。五輪出場。日本選手権では400メートルでリオ五輪出場を狙ったが、53秒04で優勝しながらも52秒20の派遣標準記録を突破できずに出場権を逃した。「チャンスだったのに…。リオ五輪が見えていたので記録を突破したかった」と初の五輪出場という大きな目標が目前だっただけに、「これだけ記録にこだわることはなかった。記録を考えて走るのは凄く難しかった」と悔しさが残った。

 大学入学後、昨年はケガで出遅れたが、徐々に復調。初のインカレでも200メートル、400メートル、400メートルリレーと3冠を達成。チーム3位に貢献した。日本ジュニアでは自己ベストを2年ぶりに更新。今年はリオ五輪は出られなかったが、その後のインカレ制覇などが自信になり、五輪への思いが強くなっていた。

スタート練習をする青山聖佳

 今後は4年後の東京五輪を目指すことになる。そのためにもまだまだ力不足を痛感。9月のフランスのマルセイユで行われたデカネーション国別対抗戦では400メートルで49秒台の選手と走り、前半は24秒で走ったが後半で完全に息が上がり、置いていかれた。「スピードで勝てなかった。余裕を持った走りでスピードをもっとつけないといけない」とまだまだ世界で戦うためにはスピード不足が課題で、前半をスムーズに走ることが大事で「股関節が硬いのでもっと柔軟にしないといけない」と下半身の強化を含めた柔軟性を強調した。指導する瀧谷監督は「慌てないでスキルアップしていくことが大事。まだまだ時間がかかる」と1つ1つ課題を克服させるようにしているという。

 東京五輪のために来年はロンドンで行われる世界陸上出場が当面の目標。「400メートルでは52秒20、200メートルでは23秒5を切れるように、スタートで11秒前半で行けるように練習したい」と意気込む。より高い意識を持ってインカレ連覇、そして世界の舞台へ。夢は大きくなるばかりだ。

 ▽大阪成蹊大学(大阪市東淀川区)前身となる高等成蹊女学校を1933年(昭8)に創設。阪急梅田駅から約20分の同大学にはマネジメント学部・教育学部・芸術学部の3学部がある。陸上競技部のほかフットサル部が全国準優勝。ソフトテニス部が全国大会ベスト8と学内強化クラブが活躍を続ける。

ピースサインをする(左から)中村水月、末永成美、青山聖佳

 ≪100メートル頂点狙える 中村にも要注目≫青山とともに期待されるのが3年の中村水月だ。インカレでは100メートルで11秒85で4位、200メートルでは24秒48で3位、400メートルリレーでは45秒08で優勝に貢献。「うれしい半面、個人的にはもっと前に行けると思うし悔しい部分もある」と振り返る。100メートルでは優勝、200メートルでも2位以上を狙える力は十分ある。今後の目標は10月7日からの岩手国体と同28日からの日本陸上競技選手権リレー競技大会(日産スタジアム)だ。「国体では100メートルの自己ベストを目指したい。リレーでも44秒4を目標に走りたい」と話していた。

人間力を高めることも重視し、指導する瀧谷賢司監督

 ≪瀧谷監督 人間力形成で世界へと導く≫日本陸連の女子統括部長を兼ねる瀧谷賢司監督は「陸上だけで終わってはダメ。魅力を感じてやっている陸上を通じて人間としてしっかりとした土台をつくっていかないと。人間力を高めていくことが大事。だからこそ、世界で戦う選手が生まれる」とただ走ることや投げることのみではなく、しっかり考えながら人間形成をすることを強調した。瀧谷監督は中学、奈良の添上高陸上部などで監督をし、2010年に大阪成蹊大の監督に就任した。「陸上の基本は“トラック&フィールド”そこが充実しないと次のステップはない」と同陸上部には100、200、400メートル、100、400メートル障害、400、1600メートルリレー、走り幅跳び、三段跳び、やり投げの十種目のみしかない。大学の陸上競技は駅伝、マラソンと長距離が主流。「好きなようにやらせてもらっている」と瀧谷監督は理解ある大学側に感謝する。インカレ総合優勝の次は「ナショナルリレーチームに勝つこと」と「エントリー10種目で全て勝つこと」と“完全制覇”でのインカレ連覇を目標に掲げる。部員は約30人と少数精鋭。大阪から日本代表、そして世界へ戦いは続く。


主将として総合優勝に貢献した末永成美

 ≪末永成美 走り幅跳び6メートル13でV≫総合優勝を一番喜んだのは現主将の末永成美(4年)だ。「昨年も総合優勝すると言っていたのに、同期3人が予選落ちして3位になった。今年は1年間、1人1人が頑張ったことでチームで優勝することができた」と主将として後輩たちに自ら練習する姿勢を見せ、チームを引っ張ってきた。そして、自らも走り幅跳びで6メートル13で優勝し、総合優勝に貢献した。大学進学後は、伸び悩んできた。鹿児島女子高3年で出した自己ベストの6メートル10を更新できなかった。「いつか更新できる」と過信から伸び悩んでいた。それが瀧谷監督からの一言で気持ちを改めた。「もっとしっかりしないとダメ。このままでは同じ結果の繰り返しになるぞ。キャプテンとして頑張れ」と主将に指名されて目が覚めた。そこから試技も安定し、6メートル24の自己ベスト更新もできた。卒業後は地元の鹿児島銀行に内定も決まり、新たにできる陸上部にも入る。「4年後の鹿児島国体で地元のために頑張りたい」と笑顔で話していた。

【魅惑の学食 女子みんな大好き ふわふわオムライス】


 陸上競技部が愛用する図書館棟3階「カフェ&ベーカリー」の「ふわふわオムライス」(380円、写真)がオススメ。大きな卵を2~3個使用しデミグラスソースをたっぷりかけた女性の学生にも人気の逸品。良心的な価格もうれしい。「カフェ&ベーカリー」はランチタイムを過ぎても午後5時まで開いており、パフェやスイーツ、手作りパンのメニューも豊富。放課後、仲間内で連れ立ってデザートを楽しむ学生も多い。

[ 2016年10月4日 ]

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