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久留米大学人間健康学部

 【乳幼児から高齢者まで生涯を通した健康づくりに貢献できる】

 九州各県や山口県の大学、高校の部活や選手を取り上げるスポニチキャンパス。今回は福岡県久留米市の久留米大学が17年度より新設する「人間健康学部」を取り上げる。乳幼児から高齢者まで生涯を通した健康づくりに貢献できる人材の育成が目的だ。医学的な知識を備えてスポーツ教育などに取り組む「スポーツ医科学科」と地域で保育や子育てを主導する人材を育成する「総合子ども学科」との2学科がある。

スポーツ医科学科の胸部圧迫の練習

■スポーツ医科学科 リオデジャネイロ五輪に沸いた今夏の日本列島。出場する選手がクローズアップされる中で、「スポーツ医科学科」は選手をサポートする人材づくりを目的とする全国初の学科となる見込みだ。

 現代は医療が様変わりし、病気を事前に防ぐことまでを考えなければいけない時代になった。それにもかかわらず、これらに対応できる人材を育成する場所は少ないまま。そこで医学部があり、健康・スポーツ科学センターでAT(アスレティックトレーナー)の養成もしていた久留米大は、学科新設を考えたという。

 スポーツ医学の世界は、子どもから老人、障がい者からトップアスリートまで対象者が幅広いため、まずは「自分の身体を知ること」が大切だという。自分の身体を知らないとほかの人の身体は理解できないからだ。年間を通して行うのが少人数制のゼミだ。学生一人一人を丁寧に指導する。座学では身体の使い方、動かし方、生理学など身体に関する基礎的な授業がある。

学生一人一人に丁寧に指導を行う

 また、医学部がある強みを生かして解剖実習の見学ができる。医学部が全面協力。法律では医科の学生のみ解剖ができるため、“見学”という形になるが、至近距離から解剖を見ることができる。解剖だけではない。手術も見学ができる。整形外科のみだが、実際の手術の現場を見ることができ、身体に対するリアリティーを持つことに役立ちそうだ。

 スポーツ医科学科ではスポーツ好きでタフな何事にもトライできる高校生を求めている。そういう学生が「なぜこうなるのか」、「どうやったら解決できるのか」と疑問に思うことで大きく成長するという。近い将来、地域スポーツと五輪戦士を支える人材を輩出すべく、スポーツ医科学科の新たな挑戦が始まる。

 ▼アスレティックトレーナー 日本体育協会が認定する資格。応急処置や傷害の評価、スポーツ復帰までのアスレティックリハビリテーションを実施し、傷害の予防のために働くスタッフのこと。現在ではスポーツ現場に限らずさまざまな対象者の健康づくりなど職域が広がっている。

リハビリを行う学生トレーナー

 ≪学生トレーナーがリハビリ付きっきり≫夕刻のみいアリーナでは運動部に所属する学生がトレーニング室で汗を流したり、リハビリに励んでいる。教員だけでなく、学生トレーナーがリハビリをする学生に付きっきりで向き合っていた=写真。ラグビー選手やバレエダンサーなど幅広い競技からリハビリに駆けつけるといい、「リハビリを頑張っていた学生が大会で優勝するとうれしい。モチベーションも上がります」とアスレティックトレーナーなどの資格を持つ原賢二准教授は笑った。

 ▽久留米大 福岡県久留米市にある私立大学。1928年(昭3)創立。略称は「久大(きゅうだい)」など。医学部、商学部、文学部、法学部、経済学部が専攻できる。医学部と大学病院がある旭町キャンパスと、そのほかの学部がある御井キャンパスに分かれる。

(左)ピアノの練習をするピアノルーム(右)子どもの人形を使い頭を洗ったりする練習も行う 


■総合子ども学科 保育用のベッドにピアノがズラリと並んだ演習室。総合子ども学科は地域で子どもの保育や子育ての支援に携わる人材を育成する学科だ。

 幼稚園教諭や保育士の免許・資格は短期大学等でも取得できる。しかしこの学科では、すべての基盤となる「からだ理解」を基本におき、4年間をかけて子どもを総合的に学ぶ。幼児教育学と保育学に加え、医学、心理学、社会学、福祉学から学ぶことにより、いろいろな視点で子どもを理解、支援できる専門家を育成することを目標にしている。

 現在、保育の現場で求められているのが「人間力」と多様なニーズへの対応だ。そのため4年間の教養学習と実習を繰り返しながら「人間力」を育てることを大学は目指している。また医学部等との連携にも特徴がある。例えば、小児科や看護学科の先生から小児医学、発達支援の医学、病児保育などの専門の授業が受けられるなど、各分野の先生から子どもや家庭の支援について学び、多様な「専門性」を身につけることができる。

 総合子ども学科では大学での研究を通して、保育や幼児教育の専門性を高め、世の中の評価を高めたいと考えている。待機児童問題など子どもを育てるより良い環境が必要とされる今、さまざまなニーズにあった専門性を持った学生を世に送り出すべく、総合子ども学科は始動する。

[ 2016年9月29日 ]

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