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【担当記者が見たリオ五輪・サッカー】IOCと対等の交渉人がいれば

[ 2016年8月23日 09:35 ]

五輪出場を断念したヤングボーイズの久保

 サッカー五輪代表の手倉森監督が「これまでの五輪では(直接対決で)勝った方がメダルを獲っている。行方を占う一戦」と位置付けた初戦のナイジェリア戦。実際に勝利したアフリカの雄はその後、銅メダルを獲得した。

 そのナイジェリアは日本戦の約7時間前にマナウス入り。試合にも問題なく出場できた。そこで、疑問が湧く。果たしてFW久保は本当に招集を辞退しなければならなかったのかと。日本協会は当初、ヤングボーイズに8月3日の欧州CL予選でケガ人が出なければ招集できる確約を得ていた。しかし、選手の差し替えには試合開始24時間前の3日午後9時までに手続きを完了する必要があった。協会は2日の午前中いっぱいをリミットに招集の確約を得るべくクラブと再交渉したが破談した。

 ただ、4日前までに選手宿舎入りなどの大会規約を破り7時間前の到着で諸手続きを済ませたナイジェリアの例を見ればリミットを引き延ばせた可能性は大いにある。日本協会にIOCなどとも対等に話ができるネゴシエーターがいれば「久保の悲劇」は起きなかったかもしれない。(サッカー・黒野有仁)

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2016年8月23日のニュース