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【担当記者が見たリオ五輪・卓球】中国有利の日程変更が銅を呼ぶ

[ 2016年8月23日 09:35 ]

銅メダルを決めて笑顔の(左から)福原、石川、伊藤

 見えない力が働くのが国際大会だ。卓球女子団体戦で日本は突然の日程変更を余儀なくされた。準決勝のドイツ戦は15日のはずだった。それが1日早まって14日。準々決勝のオーストリア戦後に決まった。その結果、1回戦から3連戦を強いられた。

 世界ではよくある話だと、日本卓球協会の前原正浩副会長は気にも留めなかった。理由は放送時間の都合。ただ、今回は準決勝。予選リーグではない。五輪の大事な局面でも日程が動かされるのかと驚いた。中国の意向だと考えるのが妥当だ。準決勝のシンガポール戦が中国国内で午後9時からの試合になった。当初のまま、すなわち日本がドイツと戦うことになった枠なら同午前6時半からだった。動かす資金と力は有り余るほどある。

 3連戦になったのだから日本にとって決勝に行くためにはマイナス。ただ、銅を獲るためにはプラスだった。村上恭和監督の「ドイツに負けたショックは大きかった。その一日で切り替えられた」という言葉がそれを物語る。銅メダル獲得の陰にあった中1日。ほんろうされつつも最後には味方に付けるたくましさが、3人娘にはあった。(卓球・倉世古洋平)

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2016年8月23日のニュース