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【服部道子の目】風を苦にしない敏京、大山 残り3日間が楽しみ

[ 2016年8月18日 18:26 ]

1番でティーショットを放つ野村敏京

リオデジャネイロ五輪ゴルフ・女子第1日

(8月17日 五輪ゴルフコース)
 第1日に日本の2人が良いプレーを見せてくれました。野村さんはショットの精度が高く、パットもいいストロークで打てていました。五輪なのでプレッシャーがあると思うのですが、リラックスしながら集中できています。自然体で自分のプレーができている印象です。

 切り替えのうまさも光っていました。1番はボギーでしたが、すぐに立ち直りましたし、11番と12番の連続ボギーで悪い流れになった時も、耐えて流れを引き戻しました。18番でもティーショットをミスして3打目で長いクラブを持たざるを得ずバンカーに入れてしまいしたが、しっかり寄せてパーで上がりました。

 大山さんもボギーが先行しましたが、6番で5メートルの下りの難しいバーディーパットを入れたのが流れを変えるきっかけになり、エンジンがかかりました。序盤はショットが右に曲がっていました。大山さんは五輪への思い入れが人一倍強く、頑張りたいという気持ちと体がうまくマッチングできていなかったのではないでしょうか。それを1つのバーディーをきっかけに修正できるところはさすがベテランだなと思いました。

 第2日以降は風が出てくることが予想されます。このコースは海に近いため、湿気を含んだ重くて球に影響を及ぼしやすい風が吹きます。しかし野村さんはスリークウォーターショット、大山さんはパンチショットが得意で、球の高さ、縦の距離をコントロールすることにたけていて、風の中でのプレーも苦にしません。したがって風が吹いて他の選手が苦しむ状況の方が有利になるのではないかと思います。残り3日間が楽しみです。

 単独首位に立ったジュタヌガーンの武器はパワーです。ティーショットでドライバーを使わなくても他の人と同じくらい飛距離を稼げるので余裕があります。その上アプローチの技術も高い。手首が柔らかくて球を自在にコントロールでき、引き出しをたくさん持っています。今年は初優勝から3連勝して全英リコー女子オープンでメジャータイトルも獲得していて、今最も勢いのある選手ですから金メダルの最有力候補と言えるでしょう。(プロゴルファー)

 ◆服部 道子(はっとり・みちこ)1968年(昭43)9月8日、愛知県日進市生まれの47歳。11歳でゴルフを始める。米テキサス大オースチン校卒。日本女子アマチュア選手権優勝3回。85年全米女子アマチュア選手権優勝。91年プロ転向。国内ツアー通算18勝(メジャー3勝)。98年賞金女王。1メートル68。59キロ。

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