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今井月 ほろ苦初舞台…輝きは20年東京へ「4年後、頑張ります」

[ 2016年8月10日 05:30 ]

女子200M個人メドレーで決勝進出を逃し肩を落とす今井

リオデジャネイロ五輪競泳 女子200メートル個人メドレー準決勝 

(8月8日 五輪水泳競技場)
 女子200メートル個人メドレー準決勝は、15歳の今井月(愛知・豊川高)が2分12秒53と振るわず15位で敗退。緊張で思うように体が動かず、予選より0秒75落として夢舞台から姿を消した。涙をいっぱい流した東京五輪の星は、4年後へ雪辱を誓った。男子200メートル自由形決勝は2冠を狙った萩野公介(21=東洋大)が1分45秒90で7位だった。

 得意の平泳ぎで伸ばせなかった。最初のバタフライで5位につけ、苦手の背泳ぎで7位に後退した。しかし、今井は武器のはずの平泳ぎで差を縮められず、そのままの順位でゴールした。「情けない。凄い調子も良かったのでベストは出るなと思っていたけど、アップの時から体が重くて…やっぱり悔しい」とあふれる涙をタオルで拭った。

 池江璃花子らと同じ「東京五輪世代」。初めての夢舞台は一瞬で終わったが「応援の量も違うし、プレッシャーも違う」と次につながる経験を持ち帰った。

 契約するコカ・コーラのCMに出演する美女スイマー。小さい時によく見たテレビは「プリキュア」など女児向けアニメではなく、男児向けの戦隊系の番組だ。幼稚園には3色あった戦隊ものの衣装を着回して通い、普段から活発だった。小学校時代は女子No・1の韋駄天(いだてん)。「あいつら速くて気に入らん」と野球部の男子に挑んだこともあった。負けん気も強さの秘けつである。

 自身の誕生日である8歳の夏に母・リサさんが急死。思い出の母の写真をリオに持ち込み、大会前に「初めてのオリンピック頑張ってくるね。応援よろしくお願いします」と誓った。まだ潤む目で「4年後、頑張ります」と天を見上げた。

 ◆今井 月(いまい・るな) 2000年(平12)8月15日、岐阜県生まれの15歳。岐阜西中に在籍した昨年まで全国中学校体育大会で女子100メートル、200メートル平泳ぎの2種目を3年連続で制覇。今年4月に愛知・豊川高に進学し、同月の日本選手権で200メートル個人メドレーで派遣標準記録を突破する2分10秒76で2位に入り、リオ五輪出場が決定。今年6月に日本コカ・コーラとパートナーシップ契約を結んだ。1メートル63、50キロ。

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2016年8月10日のニュース