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【メダリストは見た】葛西紀明 開会式での胸の高ぶりは重圧に打ち勝つ力に

メダルを披露する葛西紀明

 みんな、夏のレジェンドになれ!スポニチの五輪恒例企画「メダリストは見た」がスタート。第1回に登場するのはスキージャンプの“レジェンド”葛西紀明(44=土屋ホーム)。14年ソチ五輪で個人、団体ともメダリストとなった伝説の男は、開会式の思い出や、夏季五輪出場を目指した過去を振り返りながら、アスリートたちにエールを送った。

 始まりましたね、夏の五輪!!W杯で転戦する欧州の国々に比べるとブラジルは縁遠い国なんですが、想像していた通り、盛り上がるのが上手な国だなあと感心しました。サンバのリズムもそう、カラフルな雰囲気もそう。日本選手団の穏やかな、非常に落ち着いた表情も良かった。これは大活躍してくれるんじゃないかな、と感じました。

 個人的にも開会式は、グッとくるものがありました。アスリートの血が騒ぐんです。思わず選手の気持ちになっちゃいます。こういうのを「高ぶる」というのでしょうね。「やってやろう」。みんなそんな気持ちになっているんだろうな、と思いながら見ていました。

 僕は19歳だった92年アルベールビルから冬季五輪に7度出場していますが、開会式に出たのは、94年リレハンメルと14年ソチの2度だけです。過去には風邪をひいた選手もいたから、開会式には出なくなったんです。正直、僕も「勝負に来たんだから出てもしようがない」という思いがありましたが、やっぱり出席したら楽しかったんですよね。

 日本選手団主将を務めたソチは、責任感もあって自分から出席を志願しました。「JAPAN」とアナウンスされた時は鳥肌が立ち、ヨシッという気持ちになりました。外国人選手はもちろんですが、普段は会えない日本のスケートの選手とか、多くの人に会えたこともうれしかった。「一緒に写真を撮ってください」「頑張りましょう」と声を掛けられました。僕も主将として「頑張って一緒にメダルを獲ろうね」と声を掛けることができました。それは開会式でしか掛けられない言葉です。開会式は「五輪に来たんだ!!」という凄さを実感できる場所です。絶対に出た方がいいと思いました。

 リオで最も注目しているのはレスリング女子の吉田沙保里さんです。4連覇は難しいことですし、相当な重圧はあると思うけど、ぜひ金メダルを獲ってレジェンドを超える「スーパーレジェンド」になってもらいたい。以前、テレビ番組の収録でお会いしましたが、初対面という気がせず「おっ、久しぶり」みたいな不思議な感じがしました。夏と冬の違いはありますが、僕の次の日本選手団主将。頑張ってもらいたいですね。

 実は夏の五輪出場を目指したい、と考えていた時期がありました。自分の体がピークだった30歳前後、シドニーとかアテネくらいのころの話です。種目は陸上の棒高跳び!冬はジャンプ、夏は棒高跳び、と結構本気で考えましたよ。同じようなトレーニングをしている上、身軽で走るのもそこそこ速い自信がありました。棒は握ったことはなかったけど、いけるのでは…と思っていました。

 高校の時に遊びの一環として見よう見まねで高跳びにチャレンジしたら、自分の身長くらいの1メートル75を跳んだこともあります。本格的に競技をやっている選手からは「そんな甘いもんじゃないよ」と怒られるかもしれませんが、その頃は自信もありましたね。実際にチャレンジしたらどうだったか、ちょっと気になってます。

 僕にとって五輪はやっぱり最高峰の舞台です。ここで頂点に立つことが競技を始めた頃からの夢でした。4年に1度という過酷さはあります。理不尽なことも経験しました。簡単にメダルを獲れる人もいれば、そうではない人もいる。強いと言われている人が獲れなかったりする。でも、その全てが凄みにつながる。それが五輪。7回も出場しましたからね。重みは肌で感じています。

 若いころは、がむしゃらでした。ただ勝ちたい、メダルを獲りたい、その一心でした。自分のため、家族のためにみたいな気持ちでいっぱいになって、ピリピリしていました。でも土屋ホームに入って監督も兼務するようになってから、気持ちに余裕ができました。客観的に五輪の戦い方が見えてきたんです。若いころは気づかなかったけど、周囲で支えてくれている人に感謝できるようになりました。結果的に、落ち着いて試合に臨めるようになり、少しずつ成績も上がりました。

 選手たちには、あまり競技だけに集中し過ぎず、広い視野でいろいろなものを見て、落ち着いて試合に臨んでほしい。そしてもしメダルという目標に届かなかった選手がいたとしても、いつか獲れると信じてやってほしい。みんな僕よりも若いはず。悔しい思いをすることも大事です。悔しい思いをかみしめ、諦めずに、また次に進めばいいと思います。僕もこの大会でたっぷり刺激をもらって、18年の平昌(ピョンチャン)に向けて頑張りたいと思います。リオでの日本選手団に対する応援と同様、こちらも応援よろしくお願いします!!

 ◆葛西 紀明(かさい・のりあき)1972年(昭47)6月6日、北海道下川町生まれの44歳。92年アルベールビルに19歳で初出場して以降、14年ソチまでスキージャンプ選手として冬季五輪7大会連続出場はギネス認定世界記録。94年リレハンメル団体銀。日本選手団主将を務めた14年ソチはラージヒル個人銀、団体で銅メダルを獲得した。愛称はレジェンド。

[ 2016年8月7日 08:25 ]

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